京都大学附属病院の東日本大震災への対応:医療支援の取り組みと今後の課題


こんにちは、皆さん。今回は、2011年9月29日に開催された京都大学シンポジウムシリーズ「大震災後を考える」の中から、坂田隆造副院長による「京都大学における医療支援体制」についての講演内容をお伝えします。東日本大震災から6ヶ月が経過した時点での京都大学附属病院の取り組みと、今後の課題について詳しく見ていきましょう。

はじめに:被災者への哀悼の意

坂田副院長は講演の冒頭で、東日本大震災で被災された方々、そして亡くなられた方々に対して心からのお見舞いとお悔やみを述べられました。この言葉からも、遠く離れた京都の地にありながら、被災地の状況を深く心に留めていることが伝わってきます。

1. 医師などの派遣について

1-1. DMATの派遣

東日本大震災が発生した2011年3月11日、京都大学附属病院はすぐさま行動を開始しました。最初に派遣されたのが、DMATと呼ばれる災害派遣医療チームです。DMATは、大規模災害や事故などの現場で急性期(概ね48時間以内)に活動できる機動性を持った専門的な訓練を受けた医療チームのことです。

京都大学附属病院のDMATは、地震発生当日に宮城県に向けて出発しました。その後、講演時点(9月29日)までに、合計22チーム、56名の医療従事者が被災地に派遣されています。この数字からも、京都大学附属病院が継続的に被災地支援に取り組んでいることがわかります。

1-2. 福島第一原発への医師派遣

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