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【報告抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1730 ET 03.08.2023 “ウクライナ軍反攻状況+ルハンシク方面での動き”

以下は、ISW(戦争研究所)の2023年8月3日付ウクライナ情勢報告の一部(添付した文書画像箇所)を、日本語に訳したものになります。


ウクライナ反攻の全般状況(https://www.understandingwar.org/sites/default/files/Russian%20Offensive%20Campaign%20Assessment%2C%20August%203%2C%202023%20%28PDF%29.pdf)

《ウクライナ軍反攻の全般状況》

ウクライナ軍は8月3日、戦線上の少なくとも3か所で反攻作戦を続け、報告によると、幾つかの地域で前進することができた。ウクライナ軍参謀本部の報告によると、ウクライナ軍はベルジャンシク方向(ザポリージャ・ドネツィク州境地域)とメリトポリ方向(ザポリージャ州西部)で攻勢作戦を続けた。また、ウクライナ軍はバフムート方面で前進し続けたとウクライナ当局者が述べている。ウクライナ国家警備隊総局計画局長のミコラ・ウルシャロヴィッチ大佐は、メリトポリ方向においてウクライナ軍が戦線上1.5km範囲で最大650m前進したと語った。ロシア軍事ブロガーの一人は、ウクライナ軍がドネツィク州西部ミキリシケ(ドネツィク市南西27km)付近で前進したと主張した。ウクライナ国家安全保障国防会議書記オレクシー・ダニーロウは8月3日、ウクライナ軍反攻に期限やスケジュールは定められていないと述べた。ダニーロウはそれに加えて、戦線に存在するロシア軍防衛線で引き続き大量の地雷が敷設されており、場所によっては1平方メートルあたり3〜5個の地雷が存在すると語った。

ベルジャンシク方向
メリトポリ方向
バフムート方面

ルハンシク方面の状況(https://www.understandingwar.org/sites/default/files/Russian%20Offensive%20Campaign%20Assessment%2C%20August%203%2C%202023%20%28PDF%29.pdf)

《ルハンシク方面の状況》

8月3日、ロシア軍はクプヤンシク〜スヴァトヴェ戦線で攻勢作戦を続け、前進することができた。8月2日に公開された撮影場所が特定できる動画に、ノヴォセリウシケ(スヴァトヴェ南西14km)の南方でロシア軍がN26クプヤンシク〜スヴァトヴェ高速道路まで前進した様子が映っている。ある有名軍事ブロガーの主張によると、ロシア軍はノヴォセリウシケの北方で前進したが、この集落自体内の正確な接触線は現状不明であるとのことだ。ロシア国防省は、ロシア軍がハルキウ州のヴィルシャナ(クプヤンシク北東15km)付近とペルショトラヴネヴェ(クプヤンシク東方22km)付近、ルハンシク州のクゼミウカ(スヴァトヴェ北西15km)付近でわずかだが前進したと主張した。ロシア軍事ブロガーの一人は、ロシア軍がカルマジニウカ(スヴァトヴェ南西13km)付近で、ジェレベツ川西岸の5kmの橋頭堡を維持しているを主張した。だが、同川西岸でのロシア軍の広域展開を裏付ける映像資料を、ISWは確認できていない。ウクライナ軍東部部隊集団報道官セルヒー・チェレヴァティー大佐の報告によると、ロシア軍はシンキウカ(クプヤンシク北東8km)付近とノヴォセリウシケ付近のウクライナ軍陣地を攻撃したとのことだ。

8月3日、ウクライナ軍はクプヤンシク〜スヴァトヴェ戦線上で限定的な攻勢作戦を続けたが、前進することはできなかった。ロシア国防省の主張によると、ロシア軍はノヴォセリウシケ付近でウクライナ軍地上攻撃を撃退したとのことだ。

8月3日、ロシア軍はクレミンナ地区で攻勢作戦を続けた。また、前進することができたと伝えられている。ロシア軍事ブロガーの一人は、ルガンスク人民共和国(LNR)第2軍団の諸部隊がビロホリウカ(クレミンナ南西12km)付近のウクライナ軍陣地を占領したと主張した。また、ロシア軍が8月2日にトルシケ森林地区(クレミンナ西方14km)とセレブリャンシケ森林地区(クレミンナ南西10km)で前進したと、ある軍事ブロガーは主張している。

8月3日、ウクライナ軍はクレミンナ地区で限定的な攻勢を続け、前進することができた。8月3日公開の撮影場所が特定できる動画に、ウクライナ軍がディブロヴァ(クレミンナ南西5km)の西方で進撃した様子が映っている。ロシア国防省は、ビロホリウカ付近とベレストヴェ(クレミンナ南方30km)付近でウクライナ軍地上攻撃を撃退したと主張した。

ルハンシク方面

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