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【報告抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1700 ET 07.08.2023 “ウクライナ軍攻勢全般状況とロシア軍の反撃”

以下は、ISW(戦争研究所)の2023年8月7日付ウクライナ情勢報告の一部(添付した文書画像箇所)を、日本語に訳したものになります。


https://www.understandingwar.org/sites/default/files/Aug%207%20Russian%20Offensive%20Campaign%20Assessment%20PDF_0.pdf

8月7日、ウクライナ軍は戦線上の少なくとも2箇所で攻勢作戦を続けた。ウクライナ軍参謀本部の報告によると、同軍はベルジャンシク方向(ドネツィク州西部からザポリージャ州東部にかけての地域)とメリトポリ方向(ザポリージャ州西部)での攻勢作戦を実施したとのことだ。ウクライナのハンナ・マリャル国防次官は、戦闘がバフムートの南方で継続しており、ウクライナ東部がここ1週間、戦闘の中心点になっていると報告した。ウクライナのウォロディミル・ゼレンシキー大統領はアルゼンチンのラ・ナシオン紙8月6日付インタビューのなかで、反攻作戦のテンポは期待したよりも遅いことを認めたうえで、ウクライナが勝利するためには忍耐が必要とされると語った。ゼレンシキーの発言によると、ウクライナ軍は軍事作戦における攻勢段階にあり、引き続き主導権を握っているとのことだ。

ベルジャンシク方向
メリトポリ方向


https://www.understandingwar.org/sites/default/files/Aug%207%20Russian%20Offensive%20Campaign%20Assessment%20PDF_0.pdf

8月7日、ロシア軍はクプヤンシク〜スヴァトヴェ〜クレミンナ線に沿って攻勢作戦を実施し、前進に成功した。8月5日公開の位置特定可能な動画に、ロシア軍がノヴォセリウシケを占領した様子が映っている。ロシア国防省の主張によると、ロシア軍はヴィリシャナ(クプヤンシク北東15km)付近でウクライナ軍防空網内へと進み、クプヤンシク方面においてここ3日間で戦線上11km幅の地域で縦深3km前進したとのことだ。ロシア軍事ブロガーの一人は、ロシア軍がカルマジニウカ(スヴァトヴェ南西13km)付近のウクライナ軍陣地を占領したと主張した。ウクライナ当局者の報告によると、同軍は次の地区でロシア軍の攻撃を撃退したとのことだ。その地区とは、シンキウカ付近、ペトロパヴリウカ(クプヤンシク東方7km)付近、イヴァニウカ(スヴァトヴェ北西30km)付近、ノヴォセリウシケ南方、ノヴォイェホリウカ(スヴァトヴェ南西16km)付近、セルヒーウカ(スヴァトヴェ南西12km)、ナディヤ(スヴァトヴェ南西13km)付近である。

ルハンシク方面


https://www.understandingwar.org/sites/default/files/Aug%207%20Russian%20Offensive%20Campaign%20Assessment%20PDF_0.pdf

8月7日、ザポリージャ州西部においてロシア軍は反撃を実施した。また、以前喪失した陣地を幾つか取り戻したことが伝えられている。ウクライナ軍参謀本部の報告によると、ロシア軍はロボチネ付近で攻勢作戦を行ったが失敗に終わったとのことだ。一方、複数のロシア軍事ブロガーは、ロシア軍が反撃を仕掛け、ウクライナ軍をロボチネ郊外から1.5km押し戻すことに成功したと主張した。ロシア軍事ブロガーの一人は、ロボチネ地区を継続的なウクライナ軍の攻撃から守るために、ロシア空挺軍(VDV)所属部隊がヘルソン州からロボチネ地区に再展開していると伝えた。また、チェチェン共和国首長ラムザン・カディロフはチェチェン「ヴォストーク・アフマト」大隊もオリヒウ地域で戦闘中であると主張した。

ザポリージャ方面

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