【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 19.02.2024
日本語訳
ウクライナにおける戦争を公に支持するように迫る大きな圧力が、引き続きロシア国内の著名人に伸し掛かっている。今週、ロシア人のポップスターであるフィリップ・キルコロフが、ロシア占領下のウクライナ領内で負傷兵向けの慰問公演を行ったことが報道された。伝えられた話によると、キルコロフは、モスクワで12月に開いた「ほとんど裸の」パーティーに関するスキャンダルが公になったのち、クレムリンの「ブラックリスト」に登録されたとのことだ。
メドゥーザの報道によると、2月上旬、50人のアーティスト名が記載された、新たに更新された「ブラックリスト」が大統領府の手でロシアのコンサート興行主の間に回されたことで、事実上、それらのアーティストのロシア国内での公演は禁止になったとのことだ。このリストには、公に戦争反対を訴える者が含まれている一方で、例えばキルコロフのような、ほかの理由でクレムリンの怒りを買った者も含まれていた。
「ほとんど裸の」パーティーのスキャンダル後の経緯がまざまざと示しているのは、社会生活のなかで戦争の存在がますます広がっているということだ。クレムリンがこのスキャンダルを意図的に流布し、利用して、戦争遂行を「愛国的に」支持するロシア人と、享楽的で「西側に染まった」都会的エリートとのコントラストを描き示そうとしたのはほぼ間違いない。パーティー参加者の一人は投獄され、いわゆる「LGBTプロパガンダ」禁止法によって罰金が科せられた。そして、その者には軍徴兵事務所から召集令状が送られてきた。