【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 2024.11.15
日本語訳
2024年11月6日、ウクライナはほぼ確実に、1機の無人航空機(UAV)を用いて、ロシア領カスピースクのカスピ海に面する港を目標に攻撃を行った。ウクライナ軍UAVによって攻撃された際、この港に複数隻のロシア海軍艦艇が停泊していた可能性は極めて高く、少なくとも2隻のゲパルト級フリゲートが損傷を受けたものと思われる。損傷の程度は現在、不明であるとはいえ、艦艇に生じた損傷が迅速に修理される可能性はかなり大きい。
2022年において、ロシア海軍カスピ小艦隊がウクライナ領土に向けた大規模攻撃の遂行に投入されていた可能性は高く、2023〜2024年の期間も、散発的ではあるが、引き続き攻撃遂行に投入されてきた。ウクライナが自国領内への攻撃に対する報復として、カスピ小艦隊を攻撃した可能性は高い。だが、攻撃によって損傷を被ったロシア軍艦艇が、ウクライナ領への直接的な攻撃に投入されていた可能性は低い。
現在、黒海における軍事行動のペースは低い状態のままで続いているが、この攻撃が明らかに示しているのは、安全に行動できるとかつてロシアがみなしていた地域に存在する目標への攻撃能力を、ウクライナが保持しているということだ。今回の攻撃以前から、ウクライナ軍UAVが迎撃されることなく、ロシア領内の幅広い地域を飛行できていた可能性はかなり高い。今回の件が、ロシア政治指導部と軍事指導部に懸念を生じさせることになる可能性は極めて高い。