【抄訳】戦争研究所「ロシアによる攻勢戦役評価」2024.10.03 - 予備戦力状況から見るロシア軍攻勢の今後
Russian Offensive Campaign Assessment, October 3, 2024, ISW ⬇️
予備戦力状況から見るロシア軍攻勢の今後
◆ 戦争研究所（ISW）報告書の一部日本語訳
2023年秋に始まったウクライナ東部でのロシア軍攻勢は、戦線上の一部特定の地区においてロシア軍が漸進的に戦術レベルの戦果をあげていくことを続けている。しかし、作戦レベルでの大きな戦果がロシア軍にもたらされることは、今後も起こらない可能性が高い。ウクライナ軍は戦線上で効果的な縦深防御を実行し、ロシア軍に大きな損害を与えている一方で、少しずつ土地を明け渡している。だが、ロシア軍が戦場で今よりも迅速に戦果をあげることを防いでもいる。ウクライナ軍は現に深刻なレベルの作戦上の課題や制約に直面しており、この状況は、戦術レベルの大きな戦果を追求する機会をロシア軍に与えている。だが、烈度の高い攻勢任務を絶え間なく続けていくために利用可能なマンパワーと物資が、ロシア軍にあるわけではない。そして、ウクライナ東部で現在進められているロシア軍攻勢作戦は、ウクライナ当局者やISWが以前から分析しているように、今後数週間ではないとしても、今後数カ月の内に攻勢限界を迎えることになるだろう。
ロシア軍は最近、注目に値する戦果を戦術レベルであげている。しかし、ロシア軍は作戦レベルで重要な目標を達成するのに必要な能力を、依然として示すことができていない。なお、ISWは"戦術上の戦果"と"作戦上の戦果"を区別して取り扱っている。"戦術上の戦果"とは、戦闘行為そのものに近接する領域における、戦争の戦術次元に関わる戦果のことで、"作戦上の戦果"は、戦線全体のなかの大きな地域に影響を及ぼす、戦争の作戦次元における重要な戦果のことである。10月１日の時点でロシア軍はドネツィク州西部のヴフレダル［Vuhledar］を制圧している。この町が今後、ロシア軍により良い戦術的な位置をもたらす可能性は高い。この「より良い戦術的な位置」とは、H-15高速道路（ドネツィク市～ザポリッジャ市）に向かって進むという作戦努力を進めていくことにとって、また、ドネツィク州西部に広がるウクライナ軍支配突出部を除去することにとって、より良いという意味だ。だが、ロシア軍によるヴフレダル占領は、それ自体がドネツィク州西部における作戦状況を劇的に変えることにはならない。そして、ロシア軍はドネツィク州西部において攻勢作戦を続けるなかで、この地域の作戦目標を達成することに引き続き苦戦していくことになる可能性が高い。ロシア軍の攻勢作戦は作戦レベルでの重要な目標、具体的にはチャシウ・ヤル［Chasiv Yar］占領を目指す取り組み、または、オスキル［Oskil］川の東岸（左岸）からウクライナ軍を追い出す取り組みといった目標を達成しようとするものだが、このロシア軍攻勢作戦はそれぞれ、停滞してしまっているか、長い時間をかけて、特段にゆっくりとしか戦果をあげられていないかのいずれかの状況に陥っている。ロシア軍は今でもポクロウシク［Pokrovsk］へ向かう進撃を最優先にしている。そして、ポクロウシク占領が作戦的な重要性をもつかどうかは、この都市を"てこ"として活用して、ドネツィク州で広域な作戦的機動戦をロシア軍が実行できるどうかに左右される。全面的侵略を始めてから、ロシア軍はこれまで何度か、ドネツィク州内のいくつかの進撃軸上で、広域な作戦的機動戦を行おうと試みては失敗してきた。そして、ロシア軍は現在、相互支援関係下にあるドネツィク州の２地区（ドネツィク州西部とポクロウシク方面）だけで、もっと限定的な目標の達成を求める攻勢作戦を激しく行っているところだ。
ロシア軍統帥部は、現在進められている2024年夏季攻勢の準備を、攻勢開始に先立つ数カ月前から行い、作戦に必要な予備戦力とリソースを集めていた。これらの予備戦力とリソースは、ここ数カ月間の消耗戦によって、かなり多く消費されてしまった可能性が高い。ロシア軍は2024年５月のハルキウ州北部侵攻作戦のために、最大で７万人の、戦闘に投入されていない作戦予備を含めた、新しい作戦部隊集団を立ち上げることを目指し、それと並行して、今夏の中央部隊集団によるポクロウシク進撃に必要な作戦予備の編成も目指していたとされている。これらの予備戦力の相当な部分を、ロシア軍がハルキウ州北部の停滞した攻勢作戦に、また、ポクロウシク方面とドネツィク州西部で激しく進む攻勢に、さらに、ウクライナ軍クルスク州進攻への対応に費やしてしまっている可能性は高い。ロシア軍はまた、戦線上の各所で、特にドネツィク州西部で、大規模な機械化部隊攻撃を行ったが、これらの攻撃は失敗に終わった。その結果として、ロシア軍は甚大な規模の装甲車両の損失を出し続けている。このような機械化部隊攻撃のために、ロシア軍がかなりの数の装備品を集めた可能性は高い。しかし、ロシア軍の装甲車両備蓄に関する、中長期的な視点での大きな制約は、損失が増すなか、さらに先鋭化していくだろうし、ウクライナでこの種の高列度な機械化部隊任務を継続することにメリットがあるかどうかに関して、ロシア軍統帥部に再考を強いることになる可能性もある。ドネツィク州でロシア側の激しい消耗が続き、クルスク州への部隊配置転換がさらに行われることは、ウクライナ北東部及び東部で攻勢作戦を持続するロシア軍の能力を弱めていくことになるだろう。けれども、ロシア軍が、戦線全体で攻勢行動を減退させるよりも、優先度の低い地域に絞って攻勢行動を減退させていくことを続ける可能性のほうが高い。現在の2024年ロシア軍夏季攻勢が今後の数週間か数カ月のうちに、そのピークに達することになる可能性は高い。しかし、それにもかかわらず、ロシア軍が、ウクライナの各所でもっと遅いテンポで攻勢作戦の遂行を継続していく可能性がある。攻勢を継続する場合の理由は、攻勢の圧力を継続してかけていけば、ウクライナ軍が戦域全体の主導権を争うのに必要なマンパワーとリソースを集めることを阻止できると、ロシア軍が期待していることにある。
ロシア軍はドネツィク州とハルキウ州北部での攻勢作戦用として計画していた作戦予備の大部分を、すでに投入してしまっている模様だ。このことが示唆しているのは、ロシア軍統帥部が、ウクライナにおける攻勢戦役全体のために、戦域レベルの戦略予備を形成することよりも、戦線上の高優先地区での攻勢作戦を支援するための作戦予備の形成を優先した可能性があるということだ。10月３日にウクライナ人軍事ウォッチャーのコスチャンティン・マショヴェツは、ロシア軍統帥部がそもそも、「戦略予備」の大半をハルキウ方面とポクロウシク～トレツィク［Toretsk］方面に投入するつもりであったことを指摘したうえで、ウクライナ軍のクルスク州進攻とハルキウ州北部におけるロシア軍前進の停滞が、このプランを台無しにしたと述べた。マショヴェツによると、「戦略予備」を形成するロシア軍の取り組みのほとんどが、2024年にロシア軍北部部隊集団の新設し、トレツィク、ポクロウシク、クラホヴェ［Kurakhove］の各方面で中央軍管区［CMD］を増強することに費やされたとのことだ。また、ロシア軍はレニングラード軍管区［LMD］のなかに、新たに編成された第69自動車化狙撃師団と詳細不明のもう一つ別の自動車化狙撃師団（ともに第６諸兵科連合軍［CAA］）を組み込んだうえで、第44軍団［AC］とその隷下部隊である第72自動車化狙撃師団及び詳細不明の独立自動車化狙撃旅団１個も組み込んでおり、また、第68自動車化狙撃師団（第６CAA）と第71自動車化狙撃師団（第14AC）の人員配置も進めていると、マショヴェツは指摘した。2024年にロシア軍が、CMDのもとに第51CAA及び第３CAAと、第27自動車化狙撃師団（第２CAA）を編成したこともマショヴェツは指摘している。マショヴェツによると、ロシア軍統帥部はこれらの部隊の一部を、ドクトリン上で定められた戦力以下の状態ですでに戦闘投入しているとのことで、近いうちにまだ未投入の部隊を、規定戦力を下回る「混成縮小師団相当戦術グループ」として投入する可能性も、マショヴェツは指摘した。
これらの部隊の一部がハルキウ方面とポクロウシク方面にすでに投入されていることを裏付ける情報を、ISWは最近、確認している。ウクライナ軍ハルキウ部隊集団は、ロシア軍が第69自動車化狙撃師団隷下部隊をハルキウ州ヴォウチャンシク［Vovchansk］周辺に配置したことを、最近、伝えている。ロシア軍第72自動車化狙撃師団隷下部隊もハルキウ州北部で行動していると、ロシア軍事ブロガーは主張している。ロシア軍統帥部は第68自動車化狙撃師団隷下部隊もハルキウ州北部に送っているとされており、ロシア軍統帥部が、2024年の10月下旬から11月上旬の間に、ハルキウ州北部の前線に規定戦力未満の師団の残余を配置する予定でいると、マショヴェツは最近、述べている。また、ロシア軍第27自動車化狙撃師団隷下部隊がポクロウシクから南東方向の地点で行動中であることが伝えられている。一方で、第71自動車化狙撃師団隷下部隊がウクライナでの攻勢作戦に加わっているという報告を、ISWは確認できていない。ロシア軍が最近編成した、あるいは、現在編成中の予備部隊すべてを、マショヴェツ報告が網羅できている可能性は低い。だが、ロシアがこれら予備戦力の大部分をすでに戦闘投入しているということは、注目に値する。
ロシア軍統帥部は、ウクライナ戦域全体での長期的な戦役遂行計画の策定よりも、戦線上の高優先地区における攻勢作戦を、引き続き優先的に取り扱っている。しかし、ウクライナ軍のクルスク州進攻がロシアの作戦予備戦力の展開を、かなり乱したようにみえる。これらの予備戦力を戦域全体のどこかに投入できるようにしておかずに、特別に優先した地区に投入するロシア軍の意図が伝えられているが、このことは、ロシア軍予備戦力が「作戦」レベルの予備であって、「戦略」レベルの予備ではないことを示している。ある米国政府関係者が2024年８月にニューヨーク・タイムズ（NYT）紙に語った話によると、ロシアがウクライナ軍をクルスク州から追い出すためには、ウクライナに展開中の部隊から、もしくは、ロシア軍作戦予備のなかから、15～20個旅団（少なくみても５万人規模）を引き抜いて投入する必要があると思われるとのことだ。予備役を招集する新たな部分動員のような、より効果的な戦力造成政策のほうが、社会からの反発よりもメリットがあると、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンが判断するまで、ロシア軍統帥部は、ロシア軍攻勢遂行能力におけるマンパワー面での制約がもたらす影響への対処を、今後も続けていくことになる。
※ISWが参照している情報源を確認したい場合は、報告書原文の後注［１］～［19］に記載されたURLにアクセスしてください。
◆ 報告書原文（英文）の日本語訳箇所
The Russian offensive effort in eastern Ukraine that began in fall 2023 continues to produce gradual Russian tactical gains in specific sectors of the front, but operationally significant gains will likely continue to elude Russian forces. Ukrainian forces are conducting an effective defense in depth along the frontline, inflicting significant losses upon Russian forces while slowly giving ground but preventing the Russian military from making more rapid gains on the battlefield. Ukrainian forces do face serious operational challenges and constraints, which are providing Russian forces with opportunities to pursue tactically significant gains. Russian forces do not have the available manpower and materiel to continue intensified offensive efforts indefinitely, however, and current Russian offensive operations in eastern Ukraine will likely culminate in the coming months, if not weeks, as Ukrainian officials and ISW have previously assessed.
Russian forces have recently made notable tactical gains but have not demonstrated a capacity to seize operationally significant objectives. ISW distinguishes between tactical gains, which are relevant at the tactical level of war in the near vicinity of the fighting, and operational gains, which are significant at the operational level of war and affect large sectors of the entire frontline. Russian forces seized Vuhledar in western Donetsk Oblast as of October 1, and the settlement will likely afford Russian forces an improved tactical position for pursuing their operational effort to advance towards the H-15 (Donetsk City–Zaporizhzhia City) highway and eliminate the wide Ukrainian salient in western Donetsk Oblast. The Russian seizure of Vuhledar will not on its own radically change the operational situation in western Donetsk Oblast, however, and Russian forces will likely struggle to achieve their operational objectives in the area during the ongoing offensive operation in western Donetsk Oblast. Russian offensive operations that are pursuing operationally significant objectives, like the Russian effort to seize Chasiv Yar or to push Ukrainian forces off the left (east) bank of the Oskil River, have either stalled or are resulting in particularly gradual gains over long stretches of time, respectively. Russian forces continue to prioritize their offensive push towards Pokrovsk, and the operational significance of seizing the city will likely in part depend on the Russian military's ability to leverage the city in wider operational maneuver in Donetsk Oblast. Russian forces have tried and failed to conduct wide operational maneuver across several axes throughout Donetsk Oblast on several occasions during the full-scale invasion and are currently conducting intensified offensive operations in pursuit of more limited objectives on only two mutually supporting sectors of the frontline in Donetsk Oblast (western Donetsk Oblast and the Pokrovsk direction).
The Russian military command prepared the ongoing Russian summer 2024 offensive operation for months in advance and accumulated operational reserves and resources for the operation that the recent months of attritional fighting have likely heavily degraded. Russian forces reportedly aimed to establish a new operational grouping of forces with uncommitted operational reserves of up to 70,000 personnel for the offensive operation into northern Kharkiv Oblast in May 2024 while also establishing operational reserves for the Central Grouping of Forces' push to Pokrovsk this summer. Russian forces have likely expended a good portion of these reserves on the stalling offensive operation into northern Kharkiv Oblast, the intensified offensive tempo in the Pokrovsk direction and western Donetsk Oblast, and the response to the Ukrainian incursion into Kursk Oblast. Russian forces also continue to suffer heavy armored vehicle losses in large, unsuccessful mechanized assaults throughout the frontline, particularly in western Donetsk Oblast. Russian forces likely accumulated a large amount of equipment for such mechanized assaults, but significant medium- to long-term constraints on Russian armored vehicle stocks will become more salient as losses grow and may force the Russian military command to rethink the benefit of continuing such intensified mechanized activity in Ukraine. Continued heavy Russian attrition in Donetsk Oblast and further Russian redeployments to Kursk Oblast will weaken Russia's ability to sustain offensive operations in northeastern and eastern Ukraine, although Russian forces are more likely to continue decreasing offensive activity on lower-priority sectors of the front than to do so equally along the entire frontline. The current Russian summer 2024 offensive operation will likely culminate in the coming weeks and months, but Russian forces may nevertheless continue to conduct offensive operations at a much lower tempo throughout Ukraine in hopes that consistent offensive pressure would prevent Ukrainian forces from accumulating the manpower and resources needed to contest the theater-wide initiative.
Russian forces have reportedly committed a significant portion of their intended operational reserves to offensive operations in Donetsk and northern Kharkiv oblasts, indicating that the Russian military command may have prioritized forming operational reserves to support offensive operations in priority sectors of the frontline over developing theater-wide strategic reserves for the entire offensive campaign in Ukraine. Ukrainian military observer Kostyantyn Mashovets stated on October 3 that the Russian military command originally intended to commit most of Russia's "strategic reserves" to the Kharkiv and Pokrovsk-Toretsk directions, but that the Ukrainian incursion into Kursk Oblast and slowing Russian advances in northern Kharkiv Oblast complicated this plan. Mashovets noted that the creation of the Russian Northern Grouping of Forces and the reinforcement of the Central Military District [CMD] in the Toretsk, Pokrovsk, and Kurakhove directions throughout 2024 comprised most of Russia's efforts to develop "strategic reserves." Mashovets noted that within the Leningrad Military District [LMD] Russian forces have established the newly-formed 69th Motorized Rifle Division and another unspecified motorized rifle division (both part of the 6th Combined Arms Army [CAA], the 44th Army Corps (AC) and its 72nd Motorized Rifle Division and another unspecified motorized rifle brigade, and are continuing to staff the 68th Motorized Rifle Division (6th CAA) and the 71st Motorized Rifle Division (14th AC). Mashovets stated that Russian forces also established the 51st and 3rd CAAs and the 27th Motorized Rifle Division (2nd CAA) under the CMD in 2024. Mashovets noted that the Russian military command has already introduced some of these units and formations into combat below their doctrinal end strength and may introduce other formations as understrength "combined-reduced divisional tactical groups" in the near future.
ISW has recently observed confirmation that some of these formations have been deployed to the Kharkiv and Pokrovsk directions. Ukraine's Kharkiv Group of Forces recently reported that the Russian military deployed elements of the 69th Motorized Rifle Division near Vovchansk, Kharkiv Oblast. Russian milbloggers claimed that elements of the Russian 72nd Motorized Rifle Division are also operating in northern Kharkiv Oblast. The Russian military command has reportedly deployed elements of the 68th Motorized Rifle Division to northern Kharkiv Oblast as well, and Mashovets recently stated that the Russian military command intends to deploy the remainder of the understrength division to the frontline in northern Kharkiv Oblast between the end of October and the beginning of November 2024. Elements of the Russian 27th Motorized Rifle Division are reportedly operating southeast of Pokrovsk. ISW has not observed reports of elements of the 71st Motorized Rifle Division participating in offensive operations in Ukraine, however. Mashovets' report likely does not encompass all of the reserve units and formations that Russia recently formed or is currently forming, although it is notable that Russia has already introduced elements of most of these formations to combat.
The Russian military command is continuing to prioritize offensive operations in priority sectors of the frontline over long-term planning for Russia's theater-wide campaign in Ukraine, but the Ukrainian incursion into Kursk Oblast appears to have significantly complicated the development of Russia's operational reserves. The Russian military command's reported intention for these reserves to participate in a specific priority of the sector instead of being committable throughout the theater indicates that these are "operational" and not "strategic" level reserves. Unspecified US officials told the New York Times (NYT) in August 2024 that Russia likely needs to deploy 15 to 20 brigades — at least 50,000 troops — from Ukraine or Russia's operational reserves to push Ukrainian forces out of Kursk Oblast. The Russian military command will likely continue to grapple with the impacts of manpower constraints on Russia's offensive capabilities until Russian President Vladimir Putin decides that the benefits of more effective force-generation policies, such as another partial mobilization call up of Russian reservists, outweigh the risk of societal backlash.