本記事は、戦争研究所(ISW)の2023年10月2日付ウクライナ情勢評価報告の一部を日本語に翻訳したものである。なお、記事中の地図は、すべてISW制作のものを使用した(ISWインタラクティヴ・マップ含む)。また、記事サムネイル画像は、ウクライナ軍参謀本部のFacebook投稿添付写真を使用した。
ドネツィク・ザポリージャ州境
日本語訳:
ウクライナ軍は10月2日、ドネツィク州西部〜ザポリージャ州東部の州境地域で攻勢作戦を行い、わずかではあるが前進できた。10月2日に公開された撮影地点の特定可能な動画によって、ウクライナ軍がノヴォマヨルシケ(ヴェリカ・ノヴォシルカ南東18km)の北西でわずかに前進したことが分かる。ロシア国防省は、ウクライナ軍がプリユトネ(ヴェリカ・ノヴォシルカ南西16km)付近で攻撃を行ったが、失敗に終わったと主張した。
ロシア軍は10月2日、ドネツィク州西部〜ザポリージャ州東部の州境地域で攻撃的な動きに出たが、戦果の達成は確認されていない。あるロシア軍事ブロガーは、ロシア第36諸兵科連合軍(東部軍管区)所属部隊が行動しているウロジャイネ(ヴェリカ・ノヴォシルカ南方9km)東方で、ロシア軍が100〜150m前進したという裏付けのとれない報告があることを指摘した。スタロマヨルシケ(ヴェリカ・ノヴォシルカ南方9km)付近、リヴノピリ(ヴェリカ・ノヴォシルカ南西10km)付近、ノヴォダリウカ(ヴェリカ・ノヴォシルカ南西15km)付近で、ロシア軍が攻撃を仕掛けてきたが、すべて失敗したと、ウクライナ軍参謀本部は伝えた。別のロシア軍事ブロガーは、ロシア軍はプリユトネから攻撃を行ったと主張したが、その結果については具体的に示さなかった。
ザポリージャ州西部
日本語訳:
ロシア側情報筋の主張によると、ウクライナ軍は10月2日、ザポリージャ州西部で攻勢作戦を行ったが、前進できなかったとのことだ。複数のロシア軍事ブロガーが、ウクライナ軍はノヴォプロコピウカ(オリヒウ南方13km)付近で攻撃を仕掛けたが、失敗に終わったと主張している。ロシア側情報筋の一つは、ロボティネから北東の地点でウクライナ軍が連日、攻勢作戦を行っていると主張した。
10月1日にISWは、ウクライナ軍が9月13日から30日の間に、ロシア軍の反撃によってロボティネ南西の陣地を失ったという評価分析を示した。だが、10月2日公開の新たな動画と衛星画像を検証した結果、ウクライナ軍はこれらの陣地を今でも保持しており、9月12日から17日のいずれかの時期以降、この陣地群を維持しているという評価内容に改めた。
ロシア軍は10月2日、ザポリージャ州西部で攻勢作戦を行ったが、前進できなかった。ウクライナ軍参謀本部は、ロシア軍がヴェルボヴェ(オリヒウ南東18km)西方で攻撃を仕掛けたが、失敗に終わったと報告した。複数のロシア軍事ブロガーもまた、ヴェルボヴェ付近でのロシア軍の攻撃が失敗したという見解を示した。