本記事は、戦争研究所(ISW)の2024年4月21日付ウクライナ情勢評価報告の一部を抜粋引用したうえで、その箇所を日本語に翻訳したものである。
戦場で小型バギーを用いるロシア軍
報告書原文からの引用(英文)
日本語訳
ロシア軍は最近、前線で小型・軽量のオフロード車両を使うことが増えている。4月21日にウクライナの軍事アナリストのペトロ・チェルニクは、ロシア軍が2シートや4シートの小型バギーを、前線にロシア軍兵員を輸送するために使っていることを指摘した。同氏によると、輸送用軍事車両の不足を補う目的がロシア側にあるとのことだ。国際的な制裁措置が、輸送用軍事車両に必要なバッテリー部品を生産するロシアの能力に制約を課していると、チェルニクは述べている。ウクライナ国家警備隊のルスラン・ムジチュク報道官は4月16日の発表において、ロシア軍が攻撃時の歩兵輸送の目的で、小型車両を使っていることを示す動画が多くあることを指摘した。また、ロシア軍がそうする理由として、ロシア軍はこの種の車両を使うことによって、自軍に有利な地点に歩兵を迅速に送り込むことができ、後続の歩兵梯団がその地点を確保する条件を整えることができるという点をムジチュクはあげている。一方で、このような小型車両は、ロシア軍歩兵にほとんど防護効果を与えていないこともムジチュクは指摘した。そして、ここ最近の数週間に公開された動画には、ウクライナ軍が歩兵・補給物資を輸送している小型車両を、一人称視点(FPV)ドローンを用いて、いたるところで攻撃目標にしている様子が示されている。ウクライナ側情報筋はまた、ロシア軍がゴルフ・カートに似た車両を使って、戦場に歩兵を輸送している様子を撮影したドローンからの動画を拡散している。