【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 24.06.2024
日本語訳
1年前の2023年6月24日、今は亡きエフゲニー・プリゴジンは8,000人を超えるワグネル要員を率いて、ロシア軍上層部に反抗する「正義の行進」を行い、軍上層部が腐敗し、義務を怠っていると非難した。この出来事ののち、ロシアはよく知られた軍高官の一部を汚職の罪で逮捕している。一方で、とりわけプリゴジンの軽蔑の的であった当時の国防相セルゲイ・ショイグは、のちに国防相の地位から外されることになった。
2023年8月23日の航空機墜落事故でエフゲニー・プリゴジンは死亡したけれども、彼の民間軍事会社「ワグネル・グループ」は彼の死後も生き残っており、現在は息子のパヴェル・プリゴジンの監督下で、アントン・“ロトス”・エリザロフが指揮を執っている。ワグネル・グループは2023年5月の間にウクライナの前線から撤退し、その代わりとして、チェチェンとロシア国防省志願兵軍団の非正規部隊が送られた。一方でアフリカにおいては、ロシア国防省のアフリカ軍団がワグネルに代わって、2023年末にシリアへと、2024年初めにリビアへと、それぞれ派遣された。このような状況ではあるが、ワグネルは今でもベラルーシ、マリ、中央アフリカ共和国に独自展開し続けている。
受刑者から募兵してウクライナで軍務に就かせるという手法を先駆けて行ったのがプリゴジンだ。2022年7月以降、ロシア国防省がこの手法を引き継いだ2023年2月までの間に、ワグネルは48,000人を超える受刑者を兵士として採用した。そして、このうち17,000人を超える数の受刑者兵が、のちに戦死した。2022年2月以降、ロシアの刑務所内の受刑者数は少なく見積もっても15万人、減少している。これらの受刑者の大部分がウクライナで戦闘することを受け入れるのと引き換えに釈放された可能性は高い。
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