【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 01.04.2024
日本語訳
ロシアの国防産業が重要な輸入品を入手することを、経済制裁が継続的に妨げている可能性は高い。ロシアの孤立化は同国が直接的に商取引できる国家の数を狭めており、かつては自由に購入できた品目をロシアが入手するのにかかる時間とコストが増している可能性は極めて高い。フィンランド銀行新興経済研究所の調査では、第三国がロシアに特定の制裁対象品目を輸出するのに、通常価格の60%超増の価格を課していることが示されている。
砲弾のような、ウクライナで激しく消費されている主要弾薬類の増産を、ロシアが進めているとはいえ、経済制裁が、砲弾よりも先進的で複雑なロシアの兵器システムに、最も大きな衝撃を加えている可能性は極めて高い。このような兵器システムに関して、製造・開発の面で外国製の部品と外国の技術への依存度が高まっているのはほぼ確実といえる。
経済制裁がロシアの兵器輸出の需給関係を混乱させ続けている可能性は高く、それに加えて、ロシアへの支払いメカニズムの複雑さが、経済制裁によって悪化している可能性も高い。このことが、まだロシアに残されている最も大切なロシア製兵器購入先の一部との取引も含む、兵器輸出の大幅減と兵器受渡の遅延増の一因になっているのはほぼ間違いない。ストックホルム国際平和研究所によると、世界の兵器取引に占めるロシアのシェアは、2014〜2018年期 には21%であったが、それと比べて2019〜2023年期は下落して11%になっているとのことだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?