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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 06.07.2024

UK DENFENCE INTELLIGENCE:
Latest Defence Intelligence update on the situation in Ukraine – 06 July 2024

日本語訳

  • 独立系ロシア・メディアの2024年7月4日付報道によると、ロシアの情報通信規制当局ロスコムナドゾールの要請で、いくつかの仮想プライベート・ネットワーク(VPN)がロシア語版アプリストアから取り除かれたとのことだ。この出来事は、以前のことになるが、2022年と2023年にVPNアプリが取り除かれたことに続くものだ。ロスコムナドゾールは2024年3月に裁判所への照会なしで、VPNサービスへのアクセスをブロックする権限を得た。ロスコムナドゾールは、これらアプリが「ロシア国内で違法のコンテンツ」を含んでいるという理由で、禁止措置を正当化した。このことが、独立系ロシア・メディアや国際的なメディアへのロシア国民のアクセス能力を制限することを意図しているのはほぼ確実で、それと並行して、治安組織がロシア国民を容易に監視できるようにすることを意図しているのも間違いないといえる。

  • 上記とは別のことだが、同じ7月4日のロシア・メディアの報道によると、ロシア連邦保安庁(FSB)は、ロシアの電話通信業者にVoIP(Voice over Internet Protocol)通話サービスの提供停止を要請したとのことだ。ブロードバンド通信能力の向上と、電子メール及び動画遠隔会議と一体となった通信システムに電話通話を統合できることで、VoIPはますます国際的な産業基準になっている。FSBの公式な正当化理由は信じられないもので、この措置は詐欺事件の件数削減を目的としているというものがそれだ。実際には、ロシア政府当局が一般市民と民間企業による通信連絡を監視し、それを制限するための能力を向上させることを意図している可能性が極めて高い。

  • これら2つの措置は、双方ともに国内の情報環境を統制し、政府見解に合致しない情報への国民のアクセスを制限しようというロシア政府の取り組みと同調している。この種の取り組みは以前から行われている。2019年、ロシアは自国民のインターネットへのアクセスを一時的に遮断する実験を行い、同じ年に「主権インターネット」法を成立させた。だが、このような取り組みがかなり加速したのは、2022年2月のロシアによるウクライナ全面侵略以降のことで、それに伴い、独立系メディアのほとんどが閉鎖されるか、国外に逃れざるを得なくなり、外国メディアにアクセスする国民の能力の制限は、ますます過酷なものになっている。これら規制の効果は、今のところはっきりとしない。なぜなら、都市部に住む学歴のあるロシア国民は、これらの規制措置を迂回するための創意工夫に富んだ方法を見つけ続けているからだ。

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