Russian Offensive Campaign Assessment, August 28, 2024, ISW ⬇️
ルハンシク州方面
◆ 戦争研究所(ISW)報告書の一部日本語訳
ロシア軍は、8月28日もクプヤンシク[Kupyansk]~スヴァトヴェ[Svatove]~クレミンナ[Kreminna]線で攻勢作戦を続けるなか、クプヤンシクから南東方向の地点で最近、前進した。8月28日に公開された動画のなかの撮影地点特定可能な画像によって、ピシチャネ[Pivnichne](クプヤンシクから南東方向)から北西方向の地点でロシア軍が前進したことが分かる。また、クプヤンシクから北東方向のシンキウカ[Synkivka]付近、クプヤンスクから南東方向のステリマヒウカ[Stelmakhivka]付近、ステポヴァ・ノヴォセリウカ[Stepova Novoselivka]付近、クルフリャキウカ[Kruhlyakivka]付近、スヴァトヴェから南西方向のドルジェリュビウカ[Druzhelyubivka]付近、クレミンナから北西方向のノヴォサドヴェ[Novosadove]付近、ネウシケ[Nevske]付近、マキイウカ[Makiivka]付近、クレミンナ西方のテルニー[Terny]付近において、ロシア軍は8月27日と28日に攻撃を続けた。
※ISWが参照している情報源を確認したい場合は、報告書原文の後注[46]~[47]に記載されたURLにアクセスしてください。
◆ 報告書原文の日本語訳箇所(英文)
ドネツィク州チャシウ・ヤール周辺
◆ 戦争研究所(ISW)報告書の一部日本語訳
ロシア軍は、8月28日もチャシウ・ヤール[Chsiv Yar]方面で攻勢作戦を続けたが、裏付けのとれた前進はみられなかった。ロシアの国営報道メディア「RIAノーボスチ」の8月28日時点における主張によると、ロシア軍はアンドリーウカ[Andriivka]とクルディウミウカ[Kurdyumivka](ともにチャシウ・ヤールから南東方向)の西方で前進したとのことだ。また、チャシウ・ヤール市内東部、チャシウ・ヤール北方のフリホリウカ[Hryhorivka]付近、チャシウ・ヤールから南東方向のイヴァニウシケ[Ivanivske]付近、クリシチーウカ[Klishchiivka]付近、アンドリーウカ付近、チャシウ・ヤール南方のビラ・ホラ[Bila Hora]付近において、ロシア軍は8月27日と28日に攻撃を行った。
ウクライナ軍当局者の報告によると、ウクライナ軍は8月28日にロシア軍のSu-35ジェット戦闘機を1機、携帯式防空システム(MANPAD)を用いて撃墜したとのことだ。ロシア軍Su-35を撃墜したウクライナ軍旅団の代表者は、この航空機がロシア占領下のウクライナ領内に落ちたため、この旅団がロシア軍搭乗員の状況を確認できずにいること、戦闘損耗評価も十分に行えずにいることを語った。
※ISWが参照している情報源を確認したい場合は、報告書原文の後注[51]~[54]に記載されたURLにアクセスしてください。
◆ 報告書原文の日本語訳箇所(英文)
ドネツィク州トレツィク周辺
◆ 戦争研究所(ISW)報告書の一部日本語訳
ロシア軍は、8月28日もトレツィク周辺地域で攻勢作戦を続けるなか、トレツィク区画内で最近、前進した。8月28日に公開された動画のなかの撮影地点特定可能な画像によって、ロシア軍が最近、トレツィク区画内の91ディヴィジー[91 Dyvizyi]通りに沿って前進したことが分かる。また、トレツィク付近、トレツィク東方のドルジュバ[Druzhba]付近、トレツィクから南東方向のピウニチネ[Pivnichne]付近、トレツィク南方のニウ・ヨルク[Niu York]付近とネリピウカ[Nelipivka]付近において、ロシア軍は攻撃を続けた。
※ISWが参照している情報源を確認したい場合は、報告書原文の後注[55]~[56]に記載されたURLにアクセスしてください。
◆ 報告書原文の日本語訳箇所(英文)
ドネツィク州ポクロウシク方面
◆ 戦争研究所(ISW)報告書の一部日本語訳
ロシア軍はポクロウシクから南東方向の地点で、戦術的に大きな前進を続けている。8月28日に公開された動画のなかの撮影地点特定可能な画像によって、ロシア軍がメムリク[Memryk](ポクロウシクから南東方向)中心部内に進入したことが分かる。一方でロシア軍事ブロガーは、ロシア軍がこの集落を完全に掌握してしまっているという主張を繰り返している。上述とは別の8月28日に公開された動画のなかの撮影地点特定可能な画像によって、ロシア軍がクラスニ―・ヤール[Krasnyi Yar](ここもポクロウシクから南東方向)から南東方向の地点で、アルテマ[Artema]通り(ヴィシュネウァ[Vyshneva]通り)に沿って前進していることが分かる。なお、この通りは、クラスニ―・ヤールからフロディウカ[Hrodivka]のなかへと走っている。ロシア軍事ブロガーの主張によると、ロシア軍はまた、フロディウカ中心部を流れるジュラウカ[Zhuravka]川にまで前進し、それに加えて、クラスニ―・ヤールとミコライウカを経由してミルノフラード[Myrnohrad](ポクロウシクの真東)の南側郊外へと到達したとのことだ。ロシア軍事ブロガーは、ロシア軍がノヴォフロディウカ[Novohrodivka](ポクロウシクから南東方向)の区画内及びその周辺で前進中であるという主張を繰り返しており、ウクライナ人軍事ウォッチャーのコスチャンティン・マショヴェツの指摘によると、第27自動車化狙撃師団(中央軍管区[CMD]、第2諸兵科連合軍所属)隷下部隊が、第114自動車化狙撃旅団(第1ドネツク人民共和国軍団[DNR AC]所属)の支援を受けて、ノヴォフロディウカ区画内東部の鉄道線に沿って突進中であるとのことだ。ロシア側情報筋と一部のウクライナ側情報筋は、ロシア軍がセリドヴェ[Selydove](ポクロウシクからさらに南東)の東側郊外に到達しており、セリドヴェ区画内東部の一部陣地からウクライナ軍が撤退したことを受け、ロシア軍はこの町のなかに進入していることを伝えた。セリドヴェ区画内でロシア軍が行動していることを裏付ける映像や画像を、ISWは現状、確認できていないが、マショヴェツは、第27自動車化狙撃師団隷下部隊に支援された第90戦車師団(CMD、第41CAA所属)隷下部隊が、E50セリドヴェ~ミハイリウカ[Mykhailivka](セリドヴェのすぐ東側)道路に沿って北側からセリドヴェに向かう突破に何とか成功したことを、8月28日に伝えている。ウクライナ軍参謀本部は、ポクロウシクから北東・東・南東の各方向における8月27日と28日のロシア軍攻撃回数の多さを伝えており、ポクロウシク方面における8月28日のロシア軍地上攻撃の半分超が、セリドヴェ付近とノヴォフロディウカ付近に集中していたことに言及している。ロシア国防相アンドレイ・ベロウソフは、ロシア軍第589及び第433自動車化狙撃連隊(CMD、第2CAA所属第27自動車化狙撃師団隷下)が最近、ポクロウシクから南東方向の地点で戦果をあげたことを称賛した。また、ロシア軍「白き狼」大隊隷下部隊が最近、コミシウカ[Komyshivka](ポクロウシクから南東方向に約20km)を奪取したことが伝えられている。
※ISWが参照している情報源を確認したい場合は、報告書原文の後注[57]~[65]に記載されたURLにアクセスしてください。
◆ 報告書原文の日本語訳箇所(英文)
ドネツィク州ドネツィク市~ドネツィク・ザポリッジャ州境方面
◆ 戦争研究所(ISW)報告書の一部日本語訳
ロシア軍は、8月28日もドネツィク市の西方で攻勢作戦を続けたが、裏付けのとれた前進はみられなかった。ウクライナ軍参謀本部は、ロシア軍が8月27日と28日にクラスノホリウカ[Krasnohorivka]付近とヘオルヒーウカ[Heorhiivka]付近(ともにドネツィク市の西方)で地上攻撃を続けたことを伝えた。
ロシア軍は、8月28日もT05024マリインカ[Marinka]~ヴフレダル[Vuhledar]高速道路沿いで攻勢作戦を続けるなか、ヴフレダル方面(ドネツィク市から南西方向)で最近、前進した。8月27日に公開された動画のなかの撮影地点特定可能な画像に、第57自動車化狙撃連隊(第3AC所属第6自動車化狙撃師団隷下)に属する、タタールスタン共和国志願兵を基盤とする第1「ティメル[Timer]」大隊とされるロシア軍が、コスチャンティニウカ[Kostyantynivka]区画内西部のシャフタルスカ[Shakhtarska]通り沿いの地点で旗を立てている様子が示されており、このことは、ロシア軍がこの集落全体を掌握してしまっている可能性の高いことを示している。ロシア軍事ブロガーの一部は、ロシア軍がコスチャンティニウカを完全に制圧したと主張したが、ロシア軍事ブロガー・アカウントの一つは、コスチャンティニウカの一部は依然として攻防が続くグレーゾーンであって、この集落を占領したという報告は時期尚早である可能性があると指摘した。クレムリンに後援されている有名軍事ブロガー・アカウントの一つは、ロシア軍がヴォジャネ[Vodyane](ヴフレダルから北東方向にすぐ)から南西方向の地点でT05024道路を越えてもいると主張したが、この主張を裏付ける映像・画像資料をISWは今のところ目にしていない。8月28日にロシア治安部隊の関係者が政権派報道メディアであるタス通信に語った話によると、ロシア軍はヴフレダルに向かう2本の主要な地上連絡線(GLOC)を遮断しているとのことだ。なお、この2本のGLOCとは、ヴフレダルとヴェリカ・ノヴォシルカ[Velyka Novosilka]を結ぶT05024及びT0509道路を指している可能性が高い。この2本の道路に関してはともに、撮影地点特定可能な画像によって、ロシア軍が一部地区で道路を越えていることが確認されている。ウクライナ軍参謀本部の報告によると、ロシア軍が地上攻撃を行った場所は、ヴフレダルから北東方向のコスチャンティニウカ付近とヴォジャネ付近であり、それに加えて、ヴフレダル付近、ヴフレダル西方のプレチスティウカ[Prechystivka]付近でも攻撃が行われたとのことだ。
ドネツィク・ザポリッジャ州境地域のヴェリカ・ノヴォシルカ付近での攻勢作戦は、8月28日、ロシア・ウクライナ双方のどちらの情報源からも報じられなかった。
※ISWが参照している情報源を確認したい場合は、報告書原文の後注[66]~[71]に記載されたURLにアクセスしてください。
◆ 報告書原文の日本語訳箇所(英文)
戦争研究所 ウクライナ戦況インタラクティブ地図