Russian Offensive Campaign Assessment, August 16, 2024, ISW ⬇️
クルスク州方面戦況
◆ 戦争研究所(ISW)報告書の一部日本語訳
クルスク州内でウクライナ軍の作戦が続くなか、同軍は8月16日にスジャ[Sudzha]から南東方向で、わずかだが前進し続けた。ロシア軍事ブロガーは、ウクライナ軍がミルニ[Mirny]の東方とスパリノエ[Spalnoye]の南方で前進したと主張した。また、8月15日に公開された撮影地点特定可能な画像によって、ウクライナ軍が最近、ボルキ[Borki]の区画内で行動していたことが分かる。ロシア軍事ブロガーは、スジャの北方に位置するルスコエ・ポレチノエ[Russkoye Porechnoye]周辺、スジャの東方に位置するアグロノム[Agronom]周辺、スジャから南東方向に位置するギリ[Giri]~カミシュノエ[Kamyshnoye]~クルペツ[Krupets]~スパリノエ線沿いにおいて、戦闘が続いたと主張した。ロシア軍事ブロガーは、小規模なウクライナ軍機動グループがクルスク州の既存接触線の背後で限定的な攻撃を続けていると指摘し、ウクライナ軍がコレネヴォ[Korenevo]周辺とスナゴスト[Snagost](コレネヴォの南方)で攻撃を続けたことも指摘した。ロシア国防省の主張によると、ロシア軍はゴルディーフカ[Gordeevka]方面(コレネヴォの南方)でウクライナ軍の機甲攻撃を撃退し、アナスタシエフカ[Anastasyevka]の西方とカウチュク[Kauchuk]から南東方向の地点(双方ともにコレネヴォから北東方向で、国境から約27km離れた地点)でウクライナ軍の攻撃を撃退したとのことだ。ロシア軍事ブロガーはまた、ロシア軍がオトルバ[Otruba](コレネヴォから南西方向で、国境沿いの地点)周辺でウクライナ軍に対して火力攻撃を行ったと主張した。8月15日と16日に公開された撮影地点特定可能な動画の画像によって、ウクライナ軍がクルスク州内の最大進出範囲と主張される範囲の全体で行動し続けていることが分かる。なお、そこにはスジャ周辺も含まれている。
ウクライナ軍の火力攻撃によって、クルスク州グルシュコヴォ[Glushkovo]地区にある橋が2本、破壊された模様だ。8月16日にロシア側情報筋は、ウクライナ軍のHIMARS[*注:ハイマース、高機動ロケット砲システム]攻撃によって、グルシュコヴォとズヴァンノエ[Zvannoye](ともにコレネヴォから南西方向の地点)にある橋が破壊されたと主張した。8月16日に公開された撮影地点特定可能な動画の画像には、攻撃の結果、崩落したグルシュコヴォの橋が示されている。ロシア軍事ブロガーは、橋が破壊されたことで、この地域のロシア側地上連絡線(GLOC)の状態は今後、悪化していくという見解を示した。
※ISWが参照している情報源を確認したい場合は、報告書原文の後注[1]~[9]に記載されたURLにアクセスしてください。
◆ 戦争研究所 ウクライナ戦況インタラクティブ地図
◆ 報告書原文の日本語訳箇所(英文)