本記事は、戦争研究所(ISW)の2023年10月28日付ウクライナ情勢評価報告の一部を抜粋引用したうえで、その箇所を日本語に翻訳したものである。なお、この記事のサムネイル画像は、スプートニク記事掲載のものを使用した。
ロシア軍、新型「ランセット」ドローンを投入か?
日本語訳:
ロシア軍が新型の「ランセット」カミカゼ・ドローンを用いていることが報じられており、このタイプは自身の判断で攻撃目標を識別できるとのことだ。複数のロシア側情報筋の主張によると、ロシア軍は10月21日時点で新型の「プロダクト53」カミカゼ・ドローンを使用し始めているという。この「プロダクト53」には自律型誘導システムが備わっている模様で、このシステムは攻撃目標の種類識別を可能にし、攻撃成功率向上を可能にしていると、ロシア側情報筋は主張した。ロシア軍は今のところ、この種の「プロダクト53」ドローンを広範に用いていないと伝えられているが、ロシア側情報筋の主張によると、ロシア軍は現在、大規模に同期したスウォーム攻撃目的で、新型「プロダクト53」の試験を行っているところだという。最近の報告になるがISWは、ロシア軍がキーウ州へのドローン攻撃の際に、新型の「イタルマス」ドローン(「プロダクト54」という名でも知られている)を投入したらしいという情報を10月24日に報告した。また、「プロダクト53」に関してISWが過去に示した評価は、次の内容となる。大量のドローンで攻撃することで、ウクライナ側防空能力を圧倒できるようになると、ロシア軍統帥部は信じている可能性があるが、「プロダクト53」の積載量は3〜5kgである模様で、最重要軍事目標に対して十分な損害を与えるには、積載量が不足している可能性がある。