【SNS投稿和訳】ロシア軍兵站と鉄道(by Tatarigami_UA)
ウクライナ軍予備役将校のTatarigami_UA氏が、鉄道を主要手段とするロシア軍兵站業務に関する解説を、Xに投稿しています(日本時間2023年9月27日03:28投稿)。
このX連続投稿の日本語訳が以下になります。
日本語訳:
ロシアの鉄道線は同国兵站業務上の極めて重要な構成要素であり、かなりの数量の弾薬・車両・燃料・建築資材・人員の輸送を、迅速かつ高い費用対効果で行うことを可能にしている。この短いスレッドで、ロシア軍兵站業務の最新状況を示すつもりだ。
理解が捗るように、カンテミロフカ鉄道駅を例に示そうと思う。この駅はルハンシク州北部と国境を挟んで隣接するロシアのヴォロネジ州にあり、火砲やHIMARSの射程圏外に位置する。また、スタロビルシクのような主要兵站結節点から、ほんの数時間という場所でもある。
以下の画像の状況だが、衛星画像に装備と車両が鉄道から降ろされている様子が記録されている。この作業は通常、深夜か早朝に始まり、夜明けか正午に終わる。この画像では、弾薬・装備を積んだトラックの多くが、すでに出発してしまっている。
ロシア占領軍は鉄道からの荷下ろしを深夜と早朝に行うことが多い。第一の理由は、目撃者を少なくすることができることにある。目撃者は動画や写真を撮る可能性がある。さらに、上に示したような光学衛星画像による探知を防ぐ一助にもなる。
残念なことだが、一本の鉄道線を破壊しても、甚大なダメージを与えられない。なぜなら、それはすぐに修復されてしまうからだ。また、複数の利用できる線路があるため、ロシア軍は簡単に鉄道の経路を変更できる。経路の変更による輸送時間の増加は、比較的わずかなものだ。
荷下ろし作業を終えると、各トラックはその積荷を、大隊規模の小さな拠点へと輸送する。場合によっては中隊規模の小拠点にさえ運ぶ。このことから分かるのは、これらの少量の物資を長射程ミサイルで攻撃する試みは、使用できるミサイル数に限りがあることを考えると、効率的な使用とはいえないということだ。
このようなやり方は兵站業務に負担を及ぼすことになるが、当初、ロシア軍は民間のトラックに大きく依存していた。その間に、もっと旧式のトラック隊の補修整備を進めていた。このスレッドを書いている時点で、ロシア軍は兵站業務に用いるトラックの、軍用トラックへの移行に成功している模様だ。
戦争が続き、ドローン技術が進歩するなか、生産コストがほどほどで、それなりの搭載量をもち、数百キロ以上も先の地点に投下できる、使い捨てても構わないドローンの戦場投入は、ロシア軍兵站に対するかなり大きなリスク要因になっていくだろう。
それに加えて、ストーム・シャドーやATACMSのような兵器をロシア領内に向けて使うことができないことを、私は強調しておきたい。この結果、それ以外の選択肢は限られる。敵地後方奥深くへの攻撃に関する見込みのある選択肢として、まずは国内生産がある(だが、それには国内的な限界がある)。そして、ますますドローンが選択肢になる。
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“Buy Me A Coffee”を通して支援してくださった皆様に感謝しております。その支援によって、衛星画像を入手でき、その分析をお知らせすることができます。このスレッドもその一つです。