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再演の話

こんにちは。劇作家のオノマリコです。名字がオノマ、名がリコです。今日から少しずつ、2022年12月に上演する演劇公演『パンとバラで退屈を飾って、わたしが明日も生きることを耐える。』についてのことごとを書いていこうかと思います。お話をする時、時系列がぽんぽん飛んでいく癖があるので、読みやすいエッセイではないかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

今年の12月に発表する作品は、2021年12月に、神奈川県横浜市のスタジオHIKARIで上演されたものの再演となります。作、演出、音楽、出演者はメンバーがまったく変わらずの再演です。なぜこんな近い期間に再演を行うことになったのか、今日はそのことを少し書いていこうと思います。

2020年の夏、わたしは友人たちと、「密やかな合宿」と名前をつけた合宿を行いました。わたしとわたしの友人が住む家に、演劇をする中で知り合った「家に居づらい人」や「演劇したいけどできない人」を呼んで、マスクをつけずに3日間一緒に過ごす、というものでした。彼らとは、稽古場を借りて声に出して戯曲を読んだり、海に行ったり、一緒に焼きそばを作ったりしました。とても楽しかったのですが、当時は、マスクをつけずに人と会うことがタブー視されていたので、内心はどきどきしていました。あの時、わたしと友人(同い年)の家に集まって来てくれたのは、わたしより10歳以上年下の人たちばかりで、中には高校生の頃を知っている人もいました。「もし誰かコロナに罹ったら、クラスターになったら、それはわたしの責任だ。わたしは彼らを巻き込んで、こんな合宿を計画をして、本当にこれは大丈夫なのか。」そんな声が頭の中で渦となっていました。彼らも本当はノーマスクが怖かったりしないかと気にもしていました。夜、わたしが自分の部屋に戻ってから、若い人たちは下の階で昔見た動画などをずっと見せ合っていて、その声が聞こえてきて、それでようやく「誰かと一緒に楽しいことをする」喜びをそれぞれが感じていると思えるようになりました。
『パンとバラで退屈を飾って、わたしが明日も生きることを耐える。』は、読書会のシーンから始まりますが、それはこの合宿がモデルとなっています。

モデルになった出来事は他にもたくさんあります。2020年・2021年にメンタル不調の友人に付き添って病院に行ったこと、合宿を一緒にした友人たちと小さな演劇を作ったこと、ある性被害を受けた女性のために新幹線に乗ったこと、ある友人がずっと誰にも言えなかった関係性を打ち明けてくれたこと、そういう物事の積み重ねを形にしようと、2021年10月に戯曲を書き出し、2021年11月に戯曲が完成し、戯曲中の詞に後藤浩明さんが音楽をつけてくれ、2021年12月に演劇として上演を行いました。

上演の最終日、スタジオHIKARIを運営されている、神奈川県の文化課の職員の方がメモを持ってきてくれました。いい作品だったから、再演がしたかったら、この期間だったら貸せるよ、と。様々な演劇公演が重なっていた2021年12月、集客があまり伸びなかったことも気にしてくれたのだと思います。
今まで、公演が終わって即再演を考えたことはありませんでした。大体ヘロヘロになって、さあこれから公演後の事務作業だと自分を奮い立たせるので精一杯で、そんな余裕がなかったからですが。でもメモをもらった時に、ああ、そうか終わってすぐに再演してもいいんだと思い、あと背中を押してもらえたことが単純に嬉しく、翌年での再演を考え出すようになりました。
なるべく同じキャストでと考えた結果、スタジオHIKARIはいただいた日程が予定が合わず、東京都のシアター風姿花伝と兵庫県の神戸三宮シアター・エートーをお借りする運びになりました。

この演劇の最後のシーンはちょうどクリスマスです。演劇と実際の季節が重なり合うことも嬉しく思います。見にきてくださる方々の一年の締めくくりに、何か暖かいものをお渡しできればと思います。と、わたしはこんな風に気負っておりますが、どうかひょっこり見にきてください。

通勤途中に咲いてたマリーゴールド

再演の話。うまくできましたでしょうか。
これから度々、何か文章を書いてみます。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

最初なので公演情報も。
趣向『パンとバラで退屈を飾って、わたしが明日も生きることを耐える。』
作 :オノマリコ(趣向)
演出:扇田拓也(空 観)
音楽:後藤浩明

■公演日・会場
〈東京公演〉
2022年12月21日(水)〜25日(日)
会場:シアター風姿花伝(東京都新宿区中落合2-1-10)
JR山手線「目白駅」より徒歩18分/バス6分、都営大江戸線「落合南長崎駅」より徒歩12分
西武池袋線「椎名町駅」より徒歩8分、西武新宿線「下落合駅」より徒歩10分
〈兵庫公演〉
2022年12月29日(木)〜30日(金)
会場:神戸三宮シアター・エートー(兵庫県神戸市中央区琴ノ緒町5-6-9)
JR「三ノ宮駅」東口より徒歩3分

■CAST
KAKAZU、伊藤昌子、海老根理、大川翔子、榊原美鳳(ハダカハレンチ)、前原麻希、三澤さき (五十音順)

■タイムテーブル
【東京公演】
12月
21日(水)19:00☆
22日(木)14:00☆ / 19:00☆
23日(金)19:00☆
24日(土)11:00◆♪ / 16:00
25日(日)11:00
【兵庫公演】
12月
29日(木)13:00◆ / 18:00☆
30日(金)11:00☆ / 16:00
◆=舞台手話通訳付公演
☆=終演後アフタートークを予定
♪=託児サービスあり(要予約・有料/0歳〜12歳)
劇場建物内の別室にてお子様をお預かりします。前日までにイベント託児・マザーズ0120-788-222(平日10:00-12:00/13:00-17:00)へお申込みください。定員になり次第締切りとなります。
※受付開始=開演30分前、客席開場=開演30分前
※上演時間=約2時間(途中休憩なし)

■チケット
整理番号付自由席(購入順)
一般前売 4,000円
一般当日 4,500円
U24チケット 2,000円
U18チケット、障がい者チケット 1,000円
※U24チケットは公演当日24歳以下の方、U18チケットは公演当日18歳以下の方のための割引となります。当日受付にて身分証をご提示ください。
※障がい者チケットは、障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)をお持ちの方とその介助者の方1名様にお求めいただけます。当日受付にてご提示ください。
※車椅子でご来場されるお客様は、予約フォームの備考欄等にお書きください。
※聴覚障がいの方、難聴の方でご希望の方には、事前に台本をデータでお送りいたします。予約フォームの備考欄等に「台本データ希望」とお書きください。
※劇中に虐待によるトラウマを想起させる描写がございます。小学生以下のお子様のご観劇はご遠慮ください。事前に台本の内容をご確認される場合は趣向までお問合せください。
※新型コロナウイルスの状況により、催事内容を変更する場合がございます。最新情報は趣向HP、twitterをご確認ください。ご来場時にはマスク着用、手指消毒等にご協力いただき、発熱等体調不良の場合にはご来場をお控えくださいますようお願いいたします。

ご予約
下記URLよりご予約を承っております。
●東京公演ご予約URL
https://ticket.corich.jp/apply/195587/
●兵庫公演ご予約URL
https://ticket.corich.jp/apply/196544/
一般前売券は2通りのお支払方法からご選択いただけます。
1.当日精算(受付で現金支払い)
2.事前精算(クレジットカードまたはコンビニ決済)
事前精算をご希望のお客様は、CoRichチケット!の予約フォームで、
チケット種類:「前売券(事前精算)」
を選択してください。返信メールに記載されているPass MarketのURLより、同じ日時の公演を選択し、決済方法を選んでください。
※コンビニ決済はYahoo!Japan IDでのログインが必要となり、別途手数料が発生します。また、支払期限がございますのでご注意ください。

■STAFF
舞台監督:松谷香穂、中嶋さおり(BS-II)
照明:黒太剛亮(黒猿)、間瀬森平
音響:赤木燎(劇団エクステ)
歌唱指導:松尾音音
宣伝美術:結城真央(あまい洋々)
演出助手:諏訪こばと(こえのしずく)
舞台手話通訳:NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク(瀬戸口裕子、大平のり子、高橋記子)
制作:オノマリコ、丸山香織(アナログスイッチ)、三角華
制作協力:浅見絵梨子
主催:趣向
協力:BS-Ⅱ、(株)GFA、LIGHT management、TA-net、イマジネイション、ダックスープ、アナログスイッチ、あまい洋々、空 観、黒猿、劇作家女子会。、劇団エクステ、こえのしずく、ハダカハレンチ
文化庁「ARTS for the future! 2」補助対象事業


http://shukou.org/pantobara2022/


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