趣向

オノマリコによる演劇ユニット、趣向のnoteです。 2022年12月の公演『パンとバラ…

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オノマリコによる演劇ユニット、趣向のnoteです。 2022年12月の公演『パンとバラで退屈を飾って、わたしが明日も生きることを耐える。』に関することごとを綴っていきます。よろしくお願いいたします。公演の情報→http://shukou.org/pantobara2022/

最近の記事

パンとバラ初日劇評 退屈を「飾って」共に生きる

あらすじ コロナ禍の合間をぬって、その読書会は行われている。 本を読むことに慣れているわけではないけれど、人生が退屈すぎて、退屈はほとんど恐怖で、わたしたちはここに来る。 カッターを人に預ける。クレジットカードも人に預ける。 『人形の家』を読んでおしゃべりをして、 『サロメ』を読んでおしゃべりをする。 そしてわたしたちは初めて「演劇」をはじめる。 目がいくつあっても足りない 忘れもしない12月3日、稽古見学の初日。 ベータ(前原麻希)を中心に歌い踊る華やかなシーンを終え

    • パンとバラ稽古場レポート④ 豊かな演劇であることと、そこにある愛について(後編)

      あらすじ コロナ禍の合間をぬって、その読書会は行われている。 本を読むことに慣れているわけではないけれど、人生が退屈すぎて、退屈はほとんど恐怖で、わたしたちはここに来る。 カッターを人に預ける。クレジットカードも人に預ける。 『人形の家』を読んでおしゃべりをして、 『サロメ』を読んでおしゃべりをする。 そしてわたしたちは初めて「演劇」をはじめる。 自傷しないひとはどんな感想を抱くのか それは、公演に関わることが決まった数か月前のこと。初演の感想をネットでいくつか読み、と

      • パンとバラ稽古場レポート④ 豊かな演劇であることと、そこにある愛について(前編)

        以下は、12月のとある日、演劇ユニット・趣向の12月公演『パンとバラで退屈を飾って、わたしが明日も生きることを耐える。』の稽古を拝見したレポートです。 この作品には、過去に暴力をふるわれた人、現在精神障がいを持つ人が多数登場します。 もしも読んでいて体調が悪くなるなどありましたら、どうかご無理なさいませんよう、お願い申し上げます。 また、内容に言及する箇所もございます。事前に知りたくないという方は、ぜひご観劇後にご覧くださいませ。 (浅見絵梨子) あらすじ コロナ禍の合間

        • パンとバラ稽古場レポート③ 物語の再解釈と砂のお城

          あらすじ コロナ禍の合間をぬって、その読書会は行われている。 本を読むことに慣れているわけではないけれど、人生が退屈すぎて、退屈はほとんど恐怖で、わたしたちはここに来る。 カッターを人に預ける。クレジットカードも人に預ける。 『人形の家』を読んでおしゃべりをして、 『サロメ』を読んでおしゃべりをする。 そしてわたしたちは初めて「演劇」をはじめる。 ヨカナーンは「やばい支援団体の人」 すこし前、 本を読んだことがない32歳が初めて「走れメロス」を読む日 という記事を読んだ

        パンとバラ初日劇評 退屈を「飾って」共に生きる

        • パンとバラ稽古場レポート④ 豊かな演劇であることと、そこにある愛について(後編)

        • パンとバラ稽古場レポート④ 豊かな演劇であることと、そこにある愛について(前編)

        • パンとバラ稽古場レポート③ 物語の再解釈と砂のお城

          パンとバラ稽古場レポート② 不安定の礎(いしずえ)は安定

          あらすじ コロナ禍の合間をぬって、その読書会は行われている。 本を読むことに慣れているわけではないけれど、人生が退屈すぎて、退屈はほとんど恐怖で、わたしたちはここに来る。 カッターを人に預ける。クレジットカードも人に預ける。 『人形の家』を読んでおしゃべりをして、 『サロメ』を読んでおしゃべりをする。 そしてわたしたちは初めて「演劇」をはじめる。 緻密な積み重ねで「雑」をつくる お邪魔したのは、ちょうど「テンゴ(=2.5次元演劇)」を愛する雑誌編集者・ベータ(前原麻希)

          パンとバラ稽古場レポート② 不安定の礎(いしずえ)は安定

          パンとバラ稽古場レポート① やさしい演劇のつくりかた~ハラスメント防止研修に参加して

          はじめに 思い返せばこの数年で、以前よりはるかに劇場に足を運びづらくなったと感じる。 新型コロナウイルスの蔓延ともう一つ、大きな要因になっているのが、なくならないハラスメントの告発だ。 個々の事例についてほんの少し調べただけで、加害者にはそういった噂があった、接する際には注意するよう周りにアドバイスされていたというような記述に行き当たり、愕然とする。同時に、けれどそれが普通のことだと思っていた、という意味合いの表現もしばしば見かけ、かつてスタッフという立場で創作に参加してい

          パンとバラ稽古場レポート① やさしい演劇のつくりかた~ハラスメント防止研修に参加して

          フライヤーの話

          こんにちは。12月になって、急に寒くなりましたね。皆さまどんな冬をむかえているでしょうか。 前のnoteから時間があいてしまいました。今日はフライヤーのご紹介です。 『パンとバラで退屈を飾って、わたしが明日も生きることを耐える。』のフライヤーは、写真をもとにイラストを描いてもらっています。写真はわたしが撮ったものです。 2021年の初演の時も、宣伝美術の結城真央さんに、写真をイラストにしてもらいました。 2020年の緊急事態宣言の中、わたしは混乱していたし、落ち込んでもい

          フライヤーの話

          再演の話

          こんにちは。劇作家のオノマリコです。名字がオノマ、名がリコです。今日から少しずつ、2022年12月に上演する演劇公演『パンとバラで退屈を飾って、わたしが明日も生きることを耐える。』についてのことごとを書いていこうかと思います。お話をする時、時系列がぽんぽん飛んでいく癖があるので、読みやすいエッセイではないかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。 今年の12月に発表する作品は、2021年12月に、神奈川県横浜市のスタジオHIKARIで上演されたものの再演となります。作

          再演の話