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中学時代のある日①
中学時代のある日、クラスにロータリークラブ(結婚斡旋のシステムではない)の加入の話が舞い込んで来た。会員になると外タレ等のコンサートのチケットが優先的に割り引きで手に入るという代物で、そういったものには必ずと言っていいほど、まず疑ってかかるオレではあったが、友人との付き合いもあり加入することになった。
その第1弾として、新宿厚生年金会館でやるザ・サファリーズというグループのコンサートに行くことになった。
当時、サーフィンミュージックからホットロッドという車の排気音などを混ぜた音楽が流行りはじめ出した頃で、仲間と一緒に勇んで出かけたものだ。
ザ・サファリーズと言えば、ワイプアウトなどというヒット曲で、オレも知っていたのだが、ワイワイガヤガヤとオープニングを待つ客席で友人達と喋っていたところ、幕が開きエレキサウンドの響きとともにオレも友人達もワクワクした思いでステージに目をやった。が・・・・あれっ、何だ!? 7、8人ステージにいるグループは日本人?
ってことは、このロータリークラブってのは、思ったとおりの詐欺まがい商法で、まんまと引っかかってしまったのかと思いきや、そのグループの二人いるヴォーカルのうちのひとりが、さあみなさんご一緒に、こう手を叩いてください・・チャンチャンチャンッ・・と客席をリードしている。
何だよぉ、温泉の宴会じゃあるまいし、勘弁してくれよ、と思っていたら、それに呼応した客席の手拍子に合わせて、演奏が始まり彼が歌い始めた。♪ダークな背広にブーツを履いてぇ、チャンチャンチャン、チャンチャンチャン、フリフリフリフリフリフリフリフリッ・・・・♪ 何だ、なかなかカッコいいじゃないか、気がつくとオレはそれに合わせて足でリズムを取りだしていたのだった。
※このテキストは、かつて第一興商の音楽ファンサイト「ROOTS MUSIC」に連載されていた文章に、大幅に加筆修正したものです。