ヨーロッパの商品パッケージは◎◎カ国語仕様⁉ 外国人が手に取りたくなる一工夫で海外市場へアピールを
下の写真は、 ドイツで購入した家庭用グリル機です。
さて、 パッケージおよび説明書は何か国語で書かれているでしょう?
答えは・・・、
1. 英語
2. チェコ語
3. ハンガリー語
4. ロシア語
5. ウクライナ語
6. アラブ語
7. ドイツ語
8. オランダ語
9. フランス語
10. イタリア語
11. スペイン語
12. ポーランド語
の、12か国語でした!
びっくりするくらいの数ですね^^
この一つのパッケージで、なんと12か国はカバーできてしまいます。
でも、こうしたパッケージはヨーロッパでは珍しくもありません。こちらで売られている家電類の多くは多言語表記で、分厚い説明書が添付されています。
それだけヨーロッパ(この商品は中東・ロシアも含むのでもっと広範囲)では商品流通が盛んなわけですが、こうした多言語対応パッケージにより、さらに流通が促進されるわけなんですね。
日本の英語表記の多くは ”デザイン”の一部
日本の商品パッケージの多くも英語を多用していますが、
「英語が書いてある!」と期待して手に取った外国人にとっては、
どんな手順で使えばよいか
どうやって食べればよいか
など、肝心の部分が??というケースも少なくありません。
それは、外国人にPRするための英語ではなく、商品を格好良くみせるためのデザインとしての英語だからなんですね。
これから東京オリンピックへむけて外国人観光客がますます増えていきます。海外進出を目指す企業にとっては、自ら海外へ出向かなくても、潜在顧客が向こうから来てくれるPRのまたとないチャンス。
これを機会に、外国人に手に取ってもらえる商品パッケージ、外国人に魅力の伝わるパッケージについて、考えてみませんか?
岐阜県高山市の国際的商品パッケージ
先日、訪日していたドイツ人スタッフが、岐阜県高山市のメーカーの手作り組子キットを買って帰ってきました。コースターとしても飾りとしても使える、素敵な商品でした^^
高山市といえば、人口8万人なのに年間55万人の観光客が訪れるという、驚異的数字をはじきだす町。長年外国人観光客の誘致に力を入れてきたことで、海外での認知が非常に進んでいます。
そんな高山市の商品パッケージは2言語仕様。
表を見るとまず目に付くのは、
「Handmade」「Wood Craft」「Made in Japan」
の文字。
商品の特性を示す重要なキーワードがしっかり英語で書かれているほか、外国人観光客が魅力を感じる価値がアピールされています。イラストや英語表記、数字などをたよりに買い物をしている外国人にとってはこれだけで買い物の選択肢が増えるというもの。
「Made in Japan」の表記はそれだけで、海外でも付加価値になるので、日本国内で作られた製品であればぜひ記載しておきたい項目です。
裏面には伝統技術「組子」が日英両語で説明されているほか、会社情報も2言語で表記されていました。
これなら、「輸入したい!」という外国企業が商品を見かけた場合、コンタクトもしやすければ、海外市場へもそのまま流通できます(もちろん商品にもよりますが。食品などは現地のルールに則った表示が必要)。
日本は消費者の求める水準が高く、文化も特異で言葉の壁もあるなど、外国企業にとってハードルの高い国です。
でもこうした一工夫で、海外進出のチャンスも引き寄せることができます。どうせ英語を使うなら、外国人観光客を視野に入れ、商品のPRポイントをしっかり押さえたパッケージにしてみませんか?
ちなみに、組子キットの組み立て説明書は残念ながら日本語のみだったので、ドイツ人スタッフは組み立てに少々苦労したようです。そのような場合は、例えばパッケージ上にQRコードを組み込んでおき、商品紹介動画をみられるようにしておくのも良いと思います。
海外市場・外国人消費者を視野にいれるなら、こうした他社・他国の例を参考に、ぜひ外国人目線でパッケージの魅力を高める工夫をしてみてくださいね!