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ZIONという現象

ZIONというバンドのライブを初めて見に行った。場所はZepp Shinjuku。こちらもはじめましてのライブハウスだ。

かつてあったバンド『NICO touchs the walls』に多大な影響を受けた少年だった自分も気づけば30歳が見えてくる年齢になった。
つい最近ハイキューを一気に見返したことによって、このバンドに再ハマりしてしまって光村龍哉氏がZIONというバンドで北海道にて活動していて近々東京に来ることを知る。しかしそのバンドはサブスクでは4曲しか聴くことができないという。熱の高まりを抑えられない、ええいと通販で最近リリースされたばかりのCDを買った。久々に買ったフィジカルのCD。メンバーのお手製ということでどんなに手作り感溢れるパッケージになってるんだろうと思ったら、センスがいいだけではなくしっかりと考え抜かれたデザインになっていて感服した。めちゃくちゃ質のいいパッケージだ。しかも収録されてる4曲がとんでもなく良い。
熱が高まるところを知らない、さらにライブのチケットを購入。
そして今日である。

仕事のリモート打ち合わせが盛り上がってしまい、開演ギリギリで会場に到着。ステージに広がるのは広大な自然の山。

そして演奏が始まった。

広大な自然に鳴り響く音楽を目指したというZIONというバンドの音。
彼らはさながら自然の中で楽しそうに戯れ合う獣のようで、傷に塗れながらもエンジンの鼓動を鳴らして進み続けるオールドカーのようで、我々人類がどうすることもできない天候や災害などを引き起こす自然そのもののようだった。

音で雨を降らしたり、雷を鳴らしたり、気持ちの良いそよ風を吹かせたり、夜空に星を瞬かせたり、太陽を昇らせたり、彼らは音を通して自然を操つるように次々に聞き応えのある曲たちを演奏していく。
しかし途中で気づく。彼らは自然を操っているのではない。人間にどうすることもできない巨大な自然に抗うのではなく、それすらも味方にして身を任せているのだと。気づけば彼らの身体が軽くなって自然と仲良く踊ってるように見える。

日々、生活のさなかで理不尽に降りかかるおもわず泣きなくなるような事柄。それに抗うのではなく、そんな生活すらも愛して生きていく。確かに彼らが鳴らす音はそんなメッセージを僕にくれたような気がした。
夜の果てに太陽はやってくる。ぼくらにはどうすることもできない自然の現象として。

過ちも悲しみも抱えたまま
真朱に染まりだしたひとすじの涙にも
朝が注ぐだろう

(eveより引用)


追加ツアーのフライヤー。超イケてる。

トップ画像はZION公式ページより引用