コンフィチュール(ミックスベリー編)

  今回は、毎月1回配信のコンフィチュールの日です。日本では「コンフィチュール」というと「ジャムの高級ヴァージョン」みたいなイメージがあるかもしれません。でも、フランスでは、昔から作られてきた果物の保存食。日本のお母さんが旬の野菜でお漬物を仕込むような感覚で作られてきたものです。今の日本で、習慣的にお漬物を漬ける家庭が減りつつも、田舎ではまだまだ漬ける家庭があること。そして、流行的に「ぬか漬け」などを作る人が増えているといった現象は、今のフランスにおけるコンフィチュール作りにも当てはまります。

  フランスのマダムたちは、コンフィチュールをこしらえる度に、空きビン(なぜかいつも空きビン。真新しいビンも売られているのですが、使っている人、見たことないです)に詰め、手書きのラベルを貼って保存しておきます。下の写真は、パリの、とあるレストランの女主人がこしらえたコンフィチュールたち。ビンもラベルもバラバラなのが、ラフでいい。フランスの田舎の家のカーヴ(倉庫)もこんな感じです。

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 その昔、マダムたちがコンフィチュール作りにいそしんでいたのは、いちごが出回る春からプラム類が終りを告げる夏まででした。その中でもベリー類は花形の存在。フランス語でベリー類のことを 'fruit rouge(フリュイ・ルージュ/赤い果物の意)’ といい、ラズベリー、ブラックベリー、いちご、ブルーベリー、カシス(黒すぐり)、赤すぐり……などがポピュラーです。意外なところで、「さくらんぼ」もフリュイ・ルージュの仲間になります。果物がヴァリエーション豊かなことや、果物の保存食である「コンフィチュール」の消費量がものすごいことも含め、フランスって「果物の国」だなあと感じます。果物でお酒を造り、お酢を造る。つまり、ぶどうからワインやシャンパン、ブランデーを、りんごからシードルやカルヴァドスを造り、ワインヴィネガーやシードルヴィネガーを造っています。日本は日本酒と米酢ですから「米の国」ですね。

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    今日はフランス人とコンフィチュ-ルの話にはじまり、私が作りたい果物がない時期に作る(今が旬の桃やさくらんぼはもったいなくて、コンフィチュールにはできません。笑)冷凍ミックスベリーを使ったコンフィチュールのレシピ。そして、『パンのトリセツ』にも掲載した韓国の「ワンパントースト」の定番と応用(ミックスベリーのコンフィチュールを使います)と、盛りだくさんでお届けします。

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