ぱんにばる

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Quota systemを巡るバングラデシュの学生運動

15年続いてきた政権が倒れるまでの過程を知ってる範囲でまとめてみました 今回のデモのことのみ知りたい人は下まで飛ばしてね バングラデシュの歴史を簡単に要約 1971年にパキスタンより独立しバングラデシュが誕生 当初はエルシャド将軍の軍事政権だったが民主化し以下の二大政党が国を支えた。 独立の父、シェイク・ムジブル・ラーマン(バングラデシュの建国者)が設立した政党で、後に娘のシェイク・ハシナが率いたアワミリーグ。 ゼア・ラーマン元大統領によって設立された政党で、嫁のカリダ

    • 感受性貧乏が中島らもの『今夜すべてのバーで』を読んだ話

      中島らもの名作今夜全てのバーで 本作は依存性に寄り添ってるかと思えばアル中の味方のようでお酒を飲みながら読むのにぴったり。 内容はアル中の中年が入院して退院するまでの話。幻想と現実を行き来しながら、周りの患者、医師、自己と対話を重ねる中で、葛藤しながら自身と向き合ってく。 中島らもの実話。アルコールだけではなく、ドラッグや暴力の描写も凄まじい。 特にタナトスの話が印象深かかった。 生への本能と死への本能が共存してる話はどこかストンとくるものがあった。 普段蓋をしてる感

      • 僧侶の叔母とベンガル・バルア仏教

        叔母の紹介 父方の叔母であるルナ叔母さんは、バングラデシュのチッタガン州の厳格な仏教の家庭に生まれ育つ。若くして修行の道に入り、地元の仏教寺で熱心に僧侶としての修練を積み重ねた。当時、女性が寺を指導し、権威を築くことは社会的に認められていなかった中で、ルナ叔母さんが率いるバングラデシュの女性僧侶たちは長年にわたり、地道で精力的な活動を通じて、今ではチッタゴン州では多くの女性が大僧侶として活躍している。現在、叔母はチッタガンの山中で寺兼孤児院を建設する一方で、アジア各国を訪れ

        • ベンガルのバウル音楽について

          私がバウル音楽の魅力にはまったのは、バングラディシュのクシティア地方で行われたラロンの音楽祭に数年前に行った時からである。 村一つを貸し切って4日間行われるそのお祭では、旅から帰還したバウル音楽家による演奏や国内外のアーティストによるパフォーマンス、色鮮やかなベンガルカルチャーの露店など、普段コンクリートジャングル生活をしている私からするとかなり浮世離れした光景だった。 バウルとは何か バウルという言葉はサンスクリット語の「バトゥル」からきていて、狂気や風の病気などの意味