泣きなさい
大人になると、泣かなくなってしまいます。
泣かないことが大人の条件のように育てられてきたからなのでしょう。
赤ちゃんは泣くことから始まります。泣くことで伝えているのです。
お腹が空いたよ。おしっこしたよ。うんちがでないよ。寂しいよ。眠たいよ。痛いよ。痒いよ。泣く事でしか伝えられないからです。
言葉を覚えて、泣くのは悲しい時だけで悲しくても我慢して泣かないようにと育てられてきたのです。言葉で伝えても我慢を押し付けられて喋らなくなります。「ガンバレ」、「ガマン」、そして「キタイ」されて自分の気持ちを伝えても無駄になるのです。
これは、親子間だけの話ではないのです。自分と他人の話です。
赤ちゃんの時のように泣きなさい。誰に対して泣くのでしょうか。
それは、話を聞いてくれる人にです。自分と同じように泣いてくれる人にです。
「ガンバレ」とは言いません。
「ガマン」しなさいとも言いません。
無条件にあなたを受け入れてくれるのです。
あなたは、あなたのままでいい。
あなたの代わりになる人は、この世の中のどこにもいません。
あなたと一緒に泣いてくれる人に話しなさい。
あなたも同じように泣ける人の涙を拒んではいけません。
赤ちゃんの涙は、言葉です。
大人の涙は、悲しみです。
大人になると感情を出してはいけませんと教えられます。
感情を出さないことが大人の中の大人だと育てられてきたからでしょう。
感情をそのまま出すのは大人げないとたしなめられます。
無感情になることは、自分を素直に伝えられない事なのです。
思ったことが言葉として伝えられないと嘘の自分が作られます。
素直になれる相手と出会いなさい。
素直な自分で居られる場所を見つけなさい。
素直な自分を受け入れてくれる居場所で素直な自分を受け入れてくれる人と過ごしなさい。
無感情と素直な自分は違います。無感情になるのではなく素直な自分になるのです。言葉を発する時に裏の言葉を含んでいないか問いかけてください。
「頑張れ」と言う前に「私は頑張らないけど」と思っていないか?
「我慢しなさい」と言う前に「私は何もできない」と思っていないか?
「期待している」と言う前に「私の代わりにやって」と思っていないか?
素直な自分は、余計な一言を言ってしまいます。
素直な自分は、お節介です。
素直な自分は、他人から嫌われます。
素直な自分は、無頓着です。
素直な自分は、めんどくさがりです。
素直な自分は、深く考えてません。
素直な自分は、すぐに忘れます。
素直な自分は、泣き虫です。
素直な自分が出せたなら、素直な答えが返ってきます。
嘘の自分がいたならば、嘘の答えしか返ってきません。
嘘の自分と嘘の他人で嘘のやりとりをしている社会では嘘の社会しかできません。泣きたい時に泣き、笑いたい時に笑う。それを我慢しないで過ごしたいのです。
泣きたい時に泣き、笑いたい時に笑えば、怒ることも憎むことも恨むこともなく過ごせると思います。