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大切な手乗り幽霊モモコの話

大切とは自分の価値観の中で重要な位置を占めている事柄です。この場合の重要とは大きさも形も重さも分量もない位置なのです。

「大切」という概念は、確かに形のない、非常に個人的なものです。
大きさや形、重さ、分量がないというご指摘は、その抽象的で主観的な側面を的確に捉えていると思います。

哲学的な視点からの考察

哲学では、「価値」や「善」といった概念は古くから議論されてきました。

  • 相対性: 価値は人それぞれであり、時代や文化によっても異なるという相対的な側面があります。

  • 主観性: 価値は個人の経験や感情に基づいた主観的なものであり、客観的な尺度で測ることは難しいです。

  • 多様性: 価値には、物質的なもの、精神的なもの、倫理的なものなど、様々な種類が存在します。

現代社会における「大切」

現代社会においては、情報過多や多様な価値観の共存など、価値観の相対化がますます進んでいます。

  • 多様な価値観の尊重: 異なる価値観を持つ人々との共存が求められる中で、「大切」という概念はより個人的なものとして認識されるようになりました。

  • 価値観の多様性: 人々は、物質的な豊かさだけでなく、人間関係、健康、自己実現など、様々なものを「大切」だと考えています。

まとめ

「大切」という概念は、個人の内面深くにある、揺るぎない価値観を表すものです。それは、具体的な形を持たないながらも、私たちの思考や行動に大きな影響を与えています。

ご自身の「大切」を改めて見つめ直すことは、自分自身を深く理解し、より充実した人生を送るための重要な一歩と言えるでしょう。

さらに考えてみたいこと

  • 「大切」はどのように形成されるのか?

    • 過去の経験、教育、人間関係など、様々な要素が影響します。

  • 「大切」はどのように変化するのか?

    • 年齢、ライフステージ、価値観の変化に伴って、変化することもあります。

  • 「大切」をどのように生活に取り入れるのか?

    • 目標設定、優先順位付け、日々の行動など、具体的な行動に繋げることが重要です。

これから先が物語です。

手乗り幽霊 モモコ

太郎は、ある日、部屋に現れた手乗り幽霊・モモコと奇妙な同居生活を始めることになった。最初は戸惑っていたが、モモコとの触れ合いを通して、人間関係の大切さを改めて実感する。

「人間関係って、本当に不思議だよね。最初は見知らぬ他人だったモモコが、今では家族みたいだ」

モモコは、そう語る太郎に、にこやかに微笑んだ。

「ご主人様、ご家族の絆は、血縁だけでは測れないものなのですよ。心で繋がっていれば、たとえ幽霊でも、家族の一員になれるのです」

モモコの言葉に、太郎は深く頷いた。
ある日、モモコは太郎に驚くべきことを告げる。
「実は私、閻魔様のご親戚なのでございます。」
「え、閻魔様……?」
太郎は目を丸くした。
「そうなのです。ご先祖様が、閻魔様と遠い親戚だったそうで。つまり、ご主人様も、おのずと閻魔様のご親族ということになります」
太郎は、複雑な気持ちになった。

「まさか、自分が閻魔様と親戚だなんて……」
モモコは、そんな太郎を優しく抱きしめた。

「ご安心ください。ご主人様。閻魔様は、とてもお優しい方です。きっと、ご主人様を気に入ってくださるはずです」

その後、太郎はモモコと一緒に、閻魔様にご挨拶に行くことになった。閻魔様は、思っていたよりも若々しく、気さくな方だった。

「おやおや、太郎くん。ようこそ。モモコから、君のことをよく聞いているよ。君も、我々の家族の一員になったも同然だな」

閻魔様は、そう言うと、太郎に温かい笑顔を向けた。
その瞬間、太郎は、家族とは何か、そして人間関係とは何かを、改めて深く理解したのでした。
太郎は、手乗りの幽霊・モモコとの奇妙な同居生活にすっかり慣れてきた。ある日、モモコはいつものように太郎の肩にちょこんと乗っかかり、懐かしいメロディーを口ずさみ始めた。
「この歌、どこかで聞いたことがあるような…」
太郎がつぶやくと、モモコは少し考え込んだような表情を見せた。
「それはね、私が生きていた頃の歌なの。山口桃桃子っていう名前で、歌手をやっていたのよ」
モモコは、かつての自分を山口桃桃子と名乗る売れっ子歌手だったと告白した。華やかなステージで歌い、多くの人々を魅了していたという。しかし、戦争が激化する中、彼女は若くしてこの世を去ってしまったのだ。
「戦争って、本当に残酷なものね。たくさんの夢を壊してしまった」
モモコは、遠い目をしてそう呟いた。太郎は、モモコの言葉に心を打たれた。
ある日、太郎は古本屋で、山口桃桃子のレコードを見つけた。ジャケットの写真は、モモコにそっくりだった。レコードプレーヤーで曲を聴いてみると、モモコが歌っていたメロディーと同じだった。
「モモコ、これ、君の歌だよ!」
太郎は、レコードをモモコに見せた。モモコは、レコードジャケットの写真をじっと見つめ、涙を流した。

「懐かしい…まるで昨日のことのように思い出されるわ」
モモコは、レコードの音に合わせて、再び歌い始めた。その歌声は、まるで時空を超えて、太郎の心に響いた。

それから、太郎はモモコと一緒に、山口桃桃子のことを調べていくようになった。新聞記事や雑誌を読みあさり、当時の様子を想像した。モモコは、太郎にたくさんの話を聞かせてくれた。

「あの頃はね、毎日が本当に忙しかったの。でも、歌を歌うことが私の喜びだった。たくさんの人に笑顔を届けられたことが、私の宝物なの」
モモコの言葉に、太郎は、過去を生き抜いた一人の女性の強さと優しさを感じた。
ある夜、モモコは太郎に言った。
「太郎さん、私はこの家で、とても幸せよ。あなたのおかげで、私は再び歌うことができた。本当にありがとう」
太郎は、モモコを抱きしめた。
「こちらこそ、ありがとう。君と出会えて、本当に良かった」
二人の間に、静かに時間が流れていった。

希望があればつづくのです。

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