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無いものを求めずあるものに気づきましょう

自分が大切にしているものが、無くなった時は、その無くなったものが、自分の心を埋めてしまいます。ですが、無い物で埋められるはずがありません。そのような時は残っているものに注目するのです。残っているものはいつも希望と呼ばれているのです。

ご指摘の通り、大切なものが失われた時、私たちの心は大きな空洞で満たされてしまいます。失ったものへの執着や悲しみに囚われ、前に進むことが困難になることもあります。しかし、失ったもので心を満たすことはできません。

大切なのは、失ったものにとらわれず、残っているものに目を向けることです。残っているものとは、家族や友人、健康、才能、経験など、私たちが持ち続けているあらゆるものです。失ったものと比べれば些細なことのように思えるかもしれませんが、残っているものは私たちに希望を与えてくれます。

残っているものに目を向けることで、私たちは以下の恩恵を受けられます。

  • 感謝の気持ち:失ったものばかりに囚われていると、当たり前のように思っていたものが失われて初めてその大切さに気付くことがあります。残っているものに目を向けることで、私たちは今自分が持っているものに感謝することができます。

  • 前向きな気持ち:失ったものを嘆き続けるよりも、残っているものを活かして前に進む方が、より建設的です。残っているものに目を向けることで、私たちは前向きな気持ちになり、新しい目標に向かって歩み始めることができます。

  • 成長の機会:失ったものは取り戻すことはできませんが、そこから学ぶことはできます。残っているものに目を向けることで、私たちは自分の強みや弱みを理解し、より良い自分へと成長することができます。

大切なものを失ったことは、誰にとっても辛い経験です。しかし、そんな時こそ、残っているものに目を向けて、希望を見失わないことが大切です。残っているものを活かすことで、私たちは必ず立ち上がり、前に進むことができます。

以下、残っているものに目を向けるためのヒントをご紹介します。

  • 感謝のリストを作る:自分が感謝していることを書き出してみましょう。家族、友人、健康、仕事、趣味など、どんな些細なことでも構いません。感謝のリストを作ることで、自分が今持っているものの大切さに気付くことができます。

  • 自分の強みに目を向ける:自分が得意なことや、これまで成し遂げたことを書き出してみましょう。自分の強みを認識することで、自信がつき、新しいことに挑戦する勇気が湧いてきます。

  • 今できることに集中する:失ったものばかり考えていても、問題は解決しません。今できることに集中することで、前向きな気持ちになり、状況を改善することができます。

  • 必要であれば助けを求める:一人で抱え込まず、周囲の人に助けを求めましょう。家族、友人、カウンセラーなど、話を聞いてくれる人はたくさんいます。

大切なものを失ったことは、決してあなただけのせいではありません。自分を責めることなく、残っているものに目を向けて、希望を持って前に進んでいきましょう。

これから先は物語です。

二つの煙草

18歳になった春、陽菜は晴れ晴れと社会人としての第一歩を踏み出しました。しかし、母子家庭で育った陽菜には、自由とは裏腹に厳しい現実が待っていました。

一人暮らしを始めたものの、家賃や生活費を工面するのがやっとで、欲しいものも買えず、自由に遊べる時間もありませんでした。そんなストレスから、陽菜は密かに酒と煙草に手を染めてしまいました。

ある日、陽菜は母親から電話を受けました。母は最近体調を崩しており、入院することになったというのです。陽菜は慌てて病院へ駆けつけました。

病床で寝ている母を見ると、陽菜は胸が締め付けられるような思いになりました。母は以前から喫煙者でしたが、最近になって体調が悪化していました。

陽菜は母に、「もうタバコは吸わないでね」と頼みました。母は苦しそうに微笑み、「わかったわ。もう吸わないわよ。」と答えました。

しかし、数日後、陽菜は母の部屋から煙草の匂いが漂ってくるのを見つけました。陽菜は怒りと悲しみでいっぱいになりました。

陽菜は、母が約束を破ったことに腹を立てました。しかし、同時に、母がなぜタバコを吸ってしまうのか理解できない自分がいました。

陽菜は、母に詰め寄りました。「約束したじゃない!もうタバコは吸わないって!」
母は、うつむきながらこう答えました。「ごめんなさい。わかってるのよ。でも、どうしても…。」

陽菜は、母の言葉に言葉を失いました。母は、ストレスや不安を紛らわすためにタバコを吸っていたのです。

陽菜は、母を責めることはできませんでした。むしろ、母を助けたいという気持ちが湧いてきました。

陽菜は、決意しました。母と一緒に禁煙しようと決意したのです。
陽菜と母は、二人三脚で禁煙に取り組みました。何度も挫折しそうになりましたが、お互いを励まし合いながら、少しずつ禁煙を続けていきました。

そして、数ヶ月後、陽菜と母はついに禁煙に成功しました。タバコを吸わなくなった陽菜と母は、以前よりも元気になりました。そして、二人で過ごす時間も増えました。

陽菜は、母との禁煙を通して、大切なことを学びました。それは、家族の絆の大切さです。家族は、どんな時でもお互いを支え合い、助け合うことができる存在なのだと、陽菜は実感しました。

大切な人のために何かをしようと決意した時、人は強い意志を持つことができます。たとえ困難があっても、諦めずに努力を続ければ、必ず目標を達成することができます。

また、大切な人の存在は、私たちに大きな支えを与えてくれます。周りの人への感謝の気持ちを忘れずに、日々を過ごしていくことが大切です。

しかし、そんな幸せも長くは続きませんでした。陽菜の母は、病状が悪化し、ある日突然息を引き取ってしまったのです。

陽菜は、深い悲しみに暮れました。大切な人を失ったことで、陽菜の心は大きな空洞で満たされてしまいました。陽菜は何もかもが嫌になり、家に引きこもってしまいました。

ある日、陽菜は昔の友人の健太から連絡を受けました。健太は、陽菜が引きこもっていることを心配し、会いに来てくれたのです。

健太は、陽菜の話を聞き、こう言いました。「陽菜、辛いよね。でも、お母さんもこんなことを望んでいないよ。お母さんは、あなたが元気でいてくれることを一番願っているんだよ。」

健太の言葉に、陽菜は涙が溢れました。健太は、陽菜の心を優しく包み込んでくれました。

陽菜は、健太に支えられながら、少しずつ立ち直り始めました。そして、再び社会復帰を果たしました。

陽菜は、母を亡くしたことは決して忘れません。しかし、健太の支えのおかげで、陽菜は再び生きる希望を見つけることができました。

陽菜は、決意しました。母が望むように、明るく前向きに生きていこうと決意したのです。

教訓

大切な人を失った時、人は深い悲しみに暮れ、心を閉ざしてしまうことがあります。しかし、そんな時こそ、周りの人の支えが必要です。家族、友人、恋人…誰でもいいので、信頼できる人に話を聞いてもらうことが大切です。

また、失った人を思い出して悲しむだけでなく、その人の遺志を継いで生きていくことも大切です。大切な人のことを胸に秘めながら、自分らしく生きていきましょう。

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