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テストで良い成績を取るために勉強しても良いけれど、勉強することはそれ以上の意味があるんだよ。

数学の先生と博士の言葉

A先生は、数学の授業中、ある生徒からの質問に言葉を詰まらせていた。それは、「数学なんて社会に出たら使うことのない公式ばかり覚えて、テストのためにある学問だと思えるのですが先生はどう思いますか?」という、よくある、しかし教師にとっては悩ましい問いだった。

確かに、すべての数学の公式が社会に出て役立つわけではない。しかし、数学の基礎は、論理的な思考力や問題解決能力を養う上で不可欠なものだとA先生は考えていた。

そんな時、恩師であるB博士の言葉を思い出した。「学問は自分の価値観の成長のためにあるのです。数学が好きになるかも知れません。国語や英語、社会に地理、物理、音楽、体育、多様な学問があることを知ってもらい理解してほしいのです。その先にある自分の好きなものに夢中になって取り組む芽を潰してはいけないのです。それぞれの学問を好きで教えている教師は、他の学問を尊重して自分の好きを伝え続けて欲しいのです」

A先生は、この言葉を胸に、生徒に語り始めた。「君たちの質問は、とても良い質問だよ。数学のすべての公式が、君たちの将来の仕事に直接役立つとは限らない。でも、数学を学ぶことは、単に公式を覚えることだけじゃないんだ。数学を学ぶことで、物事を論理的に考えたり、複雑な問題を解決したりする力が身につく。それは、どんな仕事をするにしても大切な力になるんだよ。そして、数学だけでなく、国語や英語、歴史、科学など、世の中にはたくさんの学問がある。それぞれの学問には、それぞれの面白さがある。君たちが大人になったとき、どんな仕事をするにしても、きっと何らかの形で、今学んでいることが役に立つ時が来る。だから、今はまだ数学が面白くなくても、いろいろな学問に触れてみてほしい。もしかしたら、数学の奥深さに気づいて、好きになるかもしれない。あるいは、数学よりももっと興味のあるものを見つけるかもしれない。大切なのは、自分の好きなことを見つけて、それに夢中になることなんだ」

A先生の言葉に、生徒たちは静かに耳を傾けていた。そして、一人ひとりの心に、何かが芽生えた気がした。

おまけ

ある日、A先生は夢を見た。夢の中で、彼は不思議な図書館にいた。そこには、ありとあらゆる学問の書物がぎっしり並んでいた。A先生は、一冊の本を手に取った。それは、『すべての学問はつながっている』というタイトルの本だった。

ページをめくると、そこには、数学の公式と音楽の旋律が不思議な調和を奏で、歴史の出来事と科学の法則が美しい物語を織りなしていた。A先生は、この本を読んで、すべての学問が互いに深く結びついていることを悟った。

そして、A先生は気づいた。数学を教えることは、単に公式を教えることではない。それは、生徒たちに、この広大な宇宙の神秘に触れる機会を与えることなのだと。

翌朝、A先生は生徒たちに言った。「君たちは、宇宙の神秘を解き明かすための鍵を、今、自分の手で握っているんだ」

生徒たちは、A先生の言葉に、目を輝かせた。

#パンダ大好きポッさん