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星の落とし子
その星は、水も空気も枯渇し、滅亡の危機に瀕していた。住民たちは、地下シェルターに身を潜め、救いを求めて天を仰いだ。
「神よ、我らを救いたまえ!」
そんなある日、彼らの祈りが届いたのか、空から閃光が降り注ぎ、巨大な物体が地上に現れた。中から出てきたのは、見たこともない姿をした生命体――地球人だった。
地球人は、宇宙開発の途中に遭難し、この星に不時着しただけだった。しかし、星の住民たちは、彼らを「神」だと勘違いした。
「神々が、我らを救いに来てくださったのだ!」
地球人は、困惑しながらも、彼らの誤解を解こうとはしなかった。むしろ、その誤解を利用し、彼らを支配下に置こうと考えたのだ。
地球人は、高度な科学技術を駆使し、星の環境を改善してみせた。住民たちは、ますます地球人を崇め、彼らの言うことを何でも聞くようになった。
しかし、地球人の真の目的は、星の資源を搾取し、自分たちの利益のために利用することだった。彼らは、住民たちを奴隷のように扱い、資源を奪い続けた。
やがて、星の資源は枯渇し、地球人は、この星を捨て去ることにした。住民たちは、自分たちが利用されただけだと知り、怒りと 絶望 に暮れた。
「神々様、なぜ我々を見捨てるのですか!」
地球人は、冷たく言い放った。
「我々は、お前たちの神ではない。お前たちは、我々に騙されていたのだ」
そう言うと、地球人は宇宙船に乗り込み、星を去っていった。住民たちは、荒廃した星に取り残され、滅亡への道を歩むことになった。
地球人は、自分たちの故郷である地球へと帰還した。しかし、彼らは知らなかった。星の住民たちが、密かに宇宙船に忍び込んでいたことを。
地球に降り立った星の住民たちは、地球人を追いかけ、復讐を果たそうと考えた。しかし、地球の文明は、彼らにとってあまりにも高度すぎた。彼らは、地球の社会に溶け込むことができず、貧困と差別に苦しむことになった。
星の住民たちは、地球人を恨み、いつか復讐を果たす日を夢見て生きていくのだった。
教訓: 思い違いや勘違いは、時に悲劇的な結末をもたらすことがある。
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