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頑なな少女のような聖女
ディエゴ・ヴェラスケス《聖ルフィーナ》1630年頃、ロス・ベネラブレス病院(セビーリャ)所蔵
ヴェラスケスの描く聖女は、殉教者の印であるシュロの葉を持っていないとそれとはわからない。
左手に持つ陶器と右手のシュロがなければ、頑なそうな少女が描かれると思ってしまう。聖なる者としての遠い存在ではなく、自分の身近に存在する少女のように思えてしまうのだ。人物のリアルな実在感が、ヴェラスケスの魅力の一つなのだろう。
聖ルフィーナは西暦286年頃にスペインのセビーリャで殉教した聖女。聖ルフィーナは姉の聖フスタとともに、ローマ帝国支配下のセビーリャで陶器商をしていた。異教神礼拝用具を作れとのローマ人司祭の注文を拒絶したために姉とともに殉教した。セビーリャの守護神で、陶器は彼女たちの象徴的な持ち物。