リアルの世界ではいつも虚言癖


僕は虚言癖だ。

僕が嘘をつくようになったのは、多分保育園の頃からだ。みんなお母さんが迎えに来るが、僕はお父さんが迎えに来る。僕の家は父が一人で僕を育ててくれていた。今思えばとてもすごいことで父には感謝している。しかし当時の僕はそのことがとても恥ずかしく、「お母さんは今働いているんだ」と嘘をついた。

また小学生の頃、周りの友達はみんなテレビゲームを持っていた。でも僕の家には「3DS」しかなかった。ある日、「WiiUでスマブラする?」と聞かれたとき、本当は持っていないのに「うん、最近WiiUとスマブラ買ったんだよね〜」と嘘をついてしまった。それがなぜかと言えば、持っていないことで仲間外れにされるのが怖かったからだ。


僕は学校が遠く、電車通学をしていた。親の勧めで、学区外の小学校に通っていたからだ。放課後は学童保育に通い、親が迎えに来るまで外出することはできなかった。一方で、友達はみんな家が学校の近くにあり、放課後すぐに遊びに行ける環境だった。だから、僕は誰とも遊べなかった。小学校低学年の頃は保育園から一緒だった友達も学童にいたけれど、小学3年生になる頃には僕だけが残った。

その頃から、学童に行っていると言うのが恥ずかしくなった。放課後に誘われると、行けないのに「俺も行くよ」と言ってしまった。もちろん行けるわけもなく、次の日には「なんで来なかったの?」と聞かれる。僕は「親に勉強しろって言われた」とさらに嘘を重ねた。

こうした嘘はだんだんエスカレートしていった。どうでもいい嘘や、見栄を張る嘘を次々に繰り返した。気づけば、1日に話すことの半分以上が嘘だった。そして、自分でも何が本当で何が嘘なのかわからなくなっていった。次第に「〇〇は嘘つきだ」と学校中に知られるようになり、僕は孤立した。

それでも、何人か僕と仲良くしてくれた友達がいる。その友達は今でも僕と付き合ってくれている。今でもその友達にもたまに嘘をついてしまう。やめたいと思っても、やめられない。本当に申し訳ない。

中学、高校と進むにつれて、僕の嘘は無意識のものになった。嘘をついたことすら覚えていないことが増えたし、自分の記憶の中にも嘘の記憶が入り混じっている。嘘をやめようと何度も思ったけれど、気づけば口から出てしまう。両親や親戚との会話でも、自分に都合のいい嘘を無意識に使ってしまうことがある。時には涙ながらに話している嘘もあるくらいだ。

でも、そんな僕にも一つだけ、嘘をつかずにいられる場所がある。それがこの「note」だ。ここでは過去の関係やしがらみに縛られることなく、素直に思ったことを書ける。

本当は、これまでの人間関係をすべて捨てて、ゼロからやり直したいと思うこともある。でも、きっとうまくやっていける自信がない。虚言癖がある僕は、貯金もできないし、何かを頑張ることも苦手だ。自分には何が残っているんだろう。 
何もない。

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