
#25 少女七竈と七人の可愛そうな大人|桜庭 一樹
自分の美しさが、憤り
それは、思い知らされたくないあることの証明
登場人物がみな基本的に変わっている。。
一見ドロドロした恋物語、親子の話であるが、七竈がいちばん変わっていて、大人な部分があり、また独特な話し方をするので、それがこの小説を、もっと大人っぽくしていて、ただの少女物語としては存在していない
人と寝るのはとても簡単
だけど、心を交わしたり、自分のものにしたり、そういうことはもっと難しい
なぜなんだろう
「心が通った人と寝る」ことはしっくりくるのに、その逆の「寝た、けれども心は通わない」ということもある
おかしいな 心が通ったから寝ることができたんでしょう?
体でつながるのはとても簡単だ
絶対に手に入らない
愛しい誰か、けして手に入らない特定の誰かを思い、自分を、体を、心を、あえておとしめなければならない気持ち
本当に愛しい誰かを自分の手に入れられない人生
その事実から目を背けるため、またはそれを受け入れるため、優奈は旅をする
娘を置き去りにしても、自分の心のままに、絶対に手に入らない、本当に好きだった人を忘れるために、旅をし続ける、まっすぐな女性
娘を育てず、かわいがることもなく、自分勝手に生きている優奈のしていることは、許されたものではないが、なぜこのいんらん女の気持ちがわかるような気がするのだろうか
みんなさみしくて、みんな愛されたい。
ああ、心が痛い