#48 悪い女 藤堂玲花、仮面の日々 | 吉川 英梨
登場人物たちは全員、愛してもらえなかった人たち。
愛されるべき人に愛されなかったという想いは、確実に残り続けて、様々な負として影響を及ぼす。
それがみるみるうちに負の連鎖となり、大きな問題や事件となってしまった。
欲に狂った人々の、恐ろしいほどの依存から生まれる崩壊。
常識とか非常識とかそういうものでは整理できない、彼らの歪んだ世界。
でも、確実に、その負の連鎖が止められたポイントがあるのがわかった。
それが見えて、この物語に光が見えたような気がした。
いい終わり方ではないし、すっきりした読後感ではないけど、光が見えただけでも救われた気がして本当に良かったと思う。