千年戦争アイギス 国家体制を整理・大国編
『千年戦争アイギス』というゲームは、感動的で熱血的な王道ストーリー評価が高い作品である一方、各種設定まわりが非常にふゆるわなことでも知られている。
基本的に何でもありで、設定改変や後付け・再構築も多い。また意図的に曖昧なままにして決定しないようにしている(と思われる)部分も多い。
※一例としては、サービス開始当初は「創造神→三女神」という設定だったのが、途中から「創造神→天界の支配者ディアス→三女神」という設定に再構築されている
それはそれでこの作品の愛すべき空気感であり、ソシャゲあるあるのエイプリルフールネタでやりたい放題やっておいてから、それを一夜限りのメタネタとせずに正史として設定したままメインストーリーに組み込んでしまうなど、そういうアイギスでしか味わえない魅力にもつながっている。
だがまあ、ここの設定どうなっているんだろう、こう考えるのが自然ではないか、などなど考察してしまうのもファンタジーエンタメ戦記ものオタクの性だ。私はこのゲームでそういう考察をすることをもしかしたら高難易度をクリアするといったゲームプレイより愛好している。
そんなわけで、今、一番気になっているのはアイギス世界における国家体制・領土の扱いという分野だ。妄想も多分に含むが(意図的に曖昧にするという運営のスタイル的に、妄想なしでの考察は不可能ではある)、ここらでちょっと整理しておきたい。あくまで個人メモとしてね。
●基本設定
神々が治める「天界」、人間・亜人・他さまざまな種族が繁栄する「物質界」、魔物や魔神が跋扈する「魔界」、神々のうちの一部が支配者として君臨している「冥界」、別次元である「異界」が存在する。
創造神と破壊神が最高峰の上位存在と思われるが詳細不明。創造神の力はディアスに継承され、そこからさらにケラウノス、アイギス、アダマスの三姉妹に継承されたとされる。この三姉妹を三女神と呼ぶ。
「神の楔」という権能を行使するものこそが「神」と呼ばれ、それを持たない(あるいは失った)「神であって神でないもの」は「亜神」と呼ばれる。ただしそれらの法則とは異なる概念をもつ「大神」という存在もある。
「神(亜神の可能性もある)」ガリウスが地上に降臨し、魔王となって物質界を蹂躙した時代がある。魔界と物質界は接続され、大量の魔物・魔神が地上に侵攻した。女神ケラウノスもガリウス側として関わったとも言われるこの時代に、人類代表として戦った存在として英雄王・英傑が存在する。
女神アイギスは人類側につき、多くの神・亜神、魔神、聖獣、天使、魔物などが入り乱れる時代となった。異界からの参戦も確認されている。
この大戦争は「千年戦争」と呼ばれ、人類側の勝利に終わるが魔王ガリウスを滅ぼすことができず、女神アイギスが自らの肉体に魔王ガリウスを封印した。女神アイギスは自身の武具(※1)を物質界と魔界をつなぐゲートを塞ぐ装置に転用するなども行っている。
戦後の物質界では英雄王が「王国」を建国し、英雄王と極めて近い関係である「北の国」と共に栄えるなど、平穏な時代が続くことになる。
なお、「千年戦争」時における女神アダマスやディアス、ディアスと同格と思われるポセイオス、ハイドースといった面々の活動詳細は不明。
長い平和の時代(千年間という説と、期間不明という説がある)を経て、女神アイギスによる魔王ガリウスの封印は解かれる。物質界は魔物が跋扈する世界となり、王国の首都たる「王城」も陥落する。その際、王城からの脱出に成功した一人に英雄王の子孫たる「王子」がいた。
本編では、「王子」による王城奪還と対魔王戦争が描かれる。また魔界の魔神たちや天界の神々とも深く関わっていくこととなる……。
という世界。さてここからは国家別に設定を見ていくが、「千年戦争」と表記した際に「どの千年戦争」を指しているのかが非常に分かり辛い構造になっている。
というのも、作品タイトルである「千年戦争」は非常に多くの意味を持たされており、英雄王と魔王の戦争期間を「千年戦争」とする解釈、その期間+王子と魔王の戦争期間まで含めて「千年戦争」とする解釈が存在する。さらに「千年戦争を経て、千年の平和があり、再び千年戦争」という解釈も存在する。さらにさらに「新たなる千年戦争」という概念もある。なので、本記事では以下の定義としたい。
千年戦争(前):英雄王VS魔王の戦いの時代
千年戦争(後):王子VS魔王の戦いの時代
新たなる千年戦争:王子VS魔王の戦い以降の時代
ゲーム内には「所属」というシステムがあるのだが、「王国」「白の帝国」「砂漠の国」「東の国」「華の国」がそのシステム化に到っている。これに筆者独自判断で「北の大国」を加えたものを「大国」、そうでない人間国家を「小国」と定義したい。
人間以外の種族による国家・コミュニティは「亜人国家」という造語で管理したい所存だ。
それでは、まずは「大国」から見ていこう。
※1 アイギスの神器は初期設定では「女神アイギス自身が用いた装備」だったはずだが、最新設定では「女神アイギスの加護を受けた装備」に変更されている可能性もある
●王国
主人公である「王子」の所属する国家。魔王ガリウスが最初に降臨した際の「千年戦争(前)」勝利者である英雄王が建国した国家であり、その直系が統治していたが、本編開始時の王位継承1位(推定)が「王子」となる。王と王妃がどの段階でどういった形で命を失ったか、兄弟姉妹がいたのかなどは本編に詳細なし。
女神アイギスを信仰する国家だが、長い平和期間に信仰は薄れ、神殿も閑散としていたとされる。女神アイギスの肉体は魔王封印→復活の過程の中で消失したとされるが魂は不滅であり、政務官アンナは女神アイギスの魂との交信が可能(※2)。
その領土の詳細は不明だが、北側に豪雪地帯である北の辺境があること、領土内に海岸がある事は確定している。貴族による領主制を敷いていて、メアリが領主を務める「翠花の都」が確認されている。
「王子」の活躍にあわせて多くの人材が集まっており、対魔王戦線や神々との関係性の中で『物質界総本山』化したこともあり、統治体制も目まぐるしく変化し続けていると思われる。人間の枠を超えて生きる長命者も多く、昔の話か現役かが不明な役職者も多い。「王国」と「王子軍」は同じであって同じではないという表現もできるかもしれない。
主人公国家でありながら国家統治体制としての正確なところが判明していないのが、アイギスらしさでもあるのだが、政務官アンナの他に、戦術教官ケイティの名が広く知れ渡っている。近衛騎士団長、各軍団長、神職高位者、傭兵関係の統率者に兵士長、宮廷魔術師など人材は充実している。また王国において「副官」とは各組織のNo.2をさす肩書きではなく、王子をNo.1とした際の全軍の副官であるという説もあるようだ。
「王子」肝いりの復興事業として教育に力を入れており、国家の枠を超えて入学できる「学園」が運営されている。
※2 魂だけとなった神は依り代となる肉体を得ることで物質界に降臨できるようで、女神ケラウノスや魔王ガリウスはそれを利用して物質界に長期君臨していた。王子軍には女神アイギスの依り代適合者も見つかっているが、女神アイギスにその気はあまりないようだ
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●北の大国
王女シビラが継承権1位(推定)の国家。「王国」の北側にある大国であり、その王家には英雄王の血が流れる。国教は不明だが基本的には女神アイギス教だと思われる。「千年戦争(前)」時に「王子」とシビラの直系の祖先である英雄王の花嫁へと、亜神イルドナが加護を与えたエピソードを持つが、イルドナ信仰があるのかは不明。
「王国」と「北の大国」は姉妹国家とされ最友好関係を築いているが、それぞれ独立した国家である。王女シビラの個人的な考えとして同君連合国家化への道も検討されているようだが、現実的な話として出て来ているわけではないようだ。
庶子としてシビラより年下となるパテルの存在が確認されている。他に、北の辺境を治める辺境伯の息女トレシアが姫君として扱われている。辺境伯家そのものが一門である可能性が高いだろう。
「千年戦争(後)」時に首都や王城が陥落することはなかったが被害は大きかったようで、独力で対魔物戦線を支えることが可能だった半面、王国へ軍勢を派遣するなどは難しかったようだ。だがそれで関係性が壊れることはなく「新たなる千年戦争」では両軍による連携も見られている。
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●白の帝国
長い歴史と複雑な変遷を持つ帝国主義国家。「白の皇帝」が治める。位置関係は不明。陸路で「王国」と繋がっている場所と推定される。
「千年戦争(前)」の時代より王国として存在していて、現在に至るまで女神アダマスを奉じている。王国時代の王家直系も現存しており、その系譜であるアンジェリーネは女神アダマスの神器を有している。「白の皇帝」も女神アダマスの加護を受けた神器を所持しているが、アンジェリーネのそれの方がより女神アダマスに近く加護も強いものと言われている。
「白の皇帝」は武断主義を掲げて勢力を拡大し、魔物すらも軍団内に取り込んで戦略・戦術に組み込む様は魔王軍との激闘という物質界が一致団結するべき時期に危険すぎる存在とも目されていたようだ(※3)。だが、その背景には女神ケラウノスおよび女神アダマスの存在があったとされている。
人類国家の敵たる覇王国家として冷たい視線を向けられることも多かったようだが、(「王国」をのぞいて)どの国家よりも対魔界・魔神に国力を傾け、最前線に出張り続けた国家であることも間違いない事実だ。
「王子軍」との初接触は軍事衝突を伴うものだったが、紆余曲折を経て、「王国」とは友好関係となっている。「王子軍」に対して積極的に人材派遣・援助を行う国家となり、その数と質は北の大国を上回るとも。最終的には対魔王戦線に欠かせない盟友として活躍することになった。「王子」と「白の皇帝」の個人間の友誼も深いようだ。
軍師レオナと元帥レオラが「白の皇帝」を支える両軸であり、領主や総督、各軍団長や神職高位者を統制している。さらに竜族や亜神なども所属しており、軍事大国の名に相応しい陣容を誇る。長距離移動・高速移動が可能な飛空挺の存在もそれを支えている。
問題も多い。魔神の信奉者である教団の暗躍が激しく長く帝国を悩ませた。そして旧王家の血脈ではない「白の皇帝」と、女神アダマスの寵愛の象徴を継承する旧王家が並存している状態は大変歪であり、大規模な内乱を引き起こすに到っている。その影には女神アダマスと縁の深い亜神の暗躍が確認されている。
血なまぐさい事件が耐えない、長久平安とは言い難い軍事国家ではあるが、だからこそ「新たなる千年戦争」でも「王国」の盟友として活躍し続けている。
※3 その過程や接し方などは大きく異なるが、「王子軍」もまた魔物や魔神を取り込んで拡大していった軍団という意味では同じような存在だったりはする
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●砂漠の国
女王ホルエスが治める国家。正確な位置関係は不明。だが「王国」からは近隣諸国となる位置関係ではと推察される。「千年戦争(前)」において、建国女王ホルテウスが多大な活躍をみせ英傑として称えられている。「千年戦争(後)」時には魔物の軍勢に屈服しており、対「王国」の尖兵として利用された。「王国」は遠征軍を派遣して魔物からの奪回に成功、以降、「王国」とは友好関係を築いている。
正確な国教は不明だが、建国女王ホルテウスは二柱の神の加護を受けていたとされる。ヌンの太陽神、亜神バスティス、亜神ゼクメトなどを信仰しているようだ。中でもバスティスを信奉する「バステト教団」の人気が高い模様。そのバステト教の主導者でもあるネフティ、太陽神を奉る神官パトラなどは高名な存在と言っていいだろう。
アスガルドの主神の神器である「神殺しの聖槍」が保管されていたが、アスガルド神自体が強く信仰されているのかどうかは情報が不足している。
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●東の国
国主代理ヨシノが治める国家。正確な位置関係は不明。「王国」からは海路で渡るのが一般的なようで、島国である可能性も。
「千年戦争(後)」において国主が戦死しており、ヨシノの父が国主代理として奮戦したが、引退しその座をヨシノが継承した。
ヨシノは自身が代理であることを強調しており、国主の直系であるシズカこそが王座に点くべきと考えているようだ。そのシズカは一時行方不明だった時期もあるようだが、「王子」の知己を得て、王国軍による東の国の妖怪退治の際に姿を見せている。
また、東の国からはカグヤが姫君として「王子」と婚約関係にあるが、カグヤの所属する国家とシズカの所属する国家は異なるという話もある。東の国は一個の国家名称であると同時に、統一国家による平定がされているわけではない地域総称であり、複数国家が並存している可能性も留意するべきだろう。
国教は不明。天界には東の国と関わりの深い亜神が多くいるようだが、物質界との接触に消極的なようだ。亜神同士による派閥争いが激しいとの噂もある。
多数の妖怪が生息する地域でもあり、彼らは彼らで独自のコミュニティを築いているようだ。妖怪総大将シノが統治しているという話もあるが、全ての妖怪がその支配下というわけでもない様子。夜行さんと呼ばれる存在や、妖怪たちの隠れ家自体が大妖怪であるなど噂は絶えない。鬼が人間を率いる鬼刃衆という勢力も確認されている。
とにかく謎の多い国家・領土であるが、その大部分が「王国」とは友好関係を築くに到っている。
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●華の国
華王・誅子が治める国家。と言っていいのかどうかの判断が難しい非常に混沌とした大国。位置関係は不明だが、「王国」よりは東の国と近い距離関係ではと推察される。
「千年戦争(後)」をきっかけに多くの魔物や妖怪、邪仙と呼ばれる特殊な能力者が跳梁跋扈した国家であり、誅子の統治は実質的に瓦解していたと言われている。
邪仙およびその対となる存在である神仙は頂点に「三清」と呼ばれる存在がいるが、人と神の境界線が曖昧とでもいうか、人間の神仙と亜神の神仙が並存しているようだ。妖虎仙などの存在も確認されている。
華の国における戦乱に対しては、王子軍も幾度となく参戦しているが、最終的に誅子およびその側近の聞忠をまとめて亜神である元始天尊が預かるという形で落ち着いたようだ。
神が直接に国家を統治・支配しているわけではないが、最もそれに近い形で運営される物質界でも稀有な国家体制となっている。
東の国でも触れたが、華の国とは国家名と地域総称が混在して使われてしまっている可能性も高く、「千年戦争(後)」による混乱期では誅子や邪仙とは違う動きをする魔物により亡国の憂き目にあった「華の国の国家」も確認されている。
元始天尊は華の国を作ったともされる天界・崑崙の住人だが、創世神話に関わる亜神は他にもおり、国教という形で信仰されてはいないようだ。
キョンシーと呼ばれるアンデッドが意志を持ち活動している国家としても知られている。
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大国を整理してみたが、ここらへんは『千年戦争アイギス』の整理としては入門編というところだろうか。システム化されていないのでゲーム内ソート検索なども不可能な小国と、種族としてまとめられているが勢力がバラバラに割拠している非人間系。それらの整理こそがまあ試練の本番だろう。
焦らずゆっくりまったりまとめてみたいと思う。更新は気長にまってもらいたい所存だ。
※画像は全て『千年戦争アイギス』より筆者アカウントからスクリーンショット
千年戦争アイギス
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