温泉施設って最高な話
私は子どもの頃から祖父母の家に帰省すると欠かさず行く場所がある。溶けるような暑い夏休みでも布団にくるまりたくなる寒い冬でもその場所はいつも開いていた。祖母と私はタオルを脇に抱え、繰り出していたのだった。
塩湯に行こう
いつも祖母と通っていた温泉施設(通称:塩湯)は私と祖母の憩いの場所だった。10時30分くらいに家を出て、11時前に到着したらすぐ入浴。
入浴してスーパー銭湯特有の懐かしい感じのご飯を食べ、お昼寝をしたら2回目の入浴。そして小腹をまた満たし、帰りに文房具屋か魚市場に寄って帰るのだった。
なんでお風呂上がりのご飯はあんなに美味しいのか
いつも私たちが頼むメニューは決まっていた。もう通い始めて15年になるが全く変わらない。祖母は日替わり定食、私は肉うどんとタコの唐揚げ。
普通のレストランでは頼まない選択だけど、塩湯ではこれが私の定番。
ツルツルモチモチのうどんに甘辛いジューシーな肉が載る。つゆはもちろんのことお出汁が効いていてお風呂で汗をかいた体にしみていく。たこの唐揚げはレモンをジュッと絞り、サクサクの衣と肉厚なタコを爽やかにいただく。「あぁおかえりなさい」とまるで言ってくれてるかのようにこれが美味しい。
最高に気持ちいい適温の部屋の中で
お腹がいっぱいになると最高に涼しい/あったかい場所で昼寝を嗜むのがわたしたち流。昔は眠くなくて夏休みの宿題とひたすら格闘していた。
でも、今はすぐまどろんで溶けた食べ物のようにどろ〜んと寝落ちをする。そのうち祖母も目も覚まし、お互いに目を覚ましたらきちんと水分補給をし、2回目の入浴へと足を運ぶのだ。
2回目の入浴ときたら、2回目の食事
お風呂はいい。入ればスッキリするし、なんか肌の調子も良い気がする。極め付けはお腹も減る。
入浴からあがるとわたしのお腹はもうスタンバイ状態になってるから人間って面白い。まるでパブロフの犬みたいな感じ?笑
2回目の食事はご飯と違って最初から決まっていたわけでは無かった。ただ一度決まったらここ7年くらいは同じものを食べている。それがフライドポテトとソフトクリームだ。祖母も一緒にポテトを食べ、私は溶けまいとアイスを片手に塩味が欲しくなるタイミングを見計らい、ポテトに手を伸ばす。熱った体に染み込むアイスの冷たさと甘さ、そして塩分補給ならぬポテト補給。
そうやっているうちに16時になる。祖父母の家の夕飯は決まって17時半。急いで帰ってすぐに夕飯の支度をしなければいけない祖母と足早に帰路につくのだ。
あぁ心も体もお腹も心地よくなるってすごい
よく考えると1日温泉施設にいるなんて変わってる。でもそんなエンタメ性がある施設ってなかなかない。しかも利用者の年齢層はかなり広い。私と祖母なんて60歳差以上だし。すごいわ温泉施設。やるなぁ。でも温泉嫌いな人ってなかなかいないからかな。
どうしよう塩湯いきたいな。もう行きたい欲が高まってる。でもその前におばあちゃんの声が聞きたくなった。連絡しよう!と。
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