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【西洋占星術】金星✴︎美しさには嫉妬がつきもの

第1章 金星の原型アフロディテ

クロヌス(土星)によって去勢された天空の父ウラヌス。彼の男性器の一部は海に落ち、泡がまとわりつく。その泡から生まれたのが愛と美と性の女神アフロディテ。彼女は波に押し上げられ、大きな貝殻の上に乗っている姿で発見される。海岸に上陸すると彼女の足元には草や花々が生まれた。彼女には夫の鍛冶の神ウルヌカスがいたが、醜く足が不自由だったために、アフロディテからは拒絶されていた。やがて彼女はオリュンポスの神々の中でも1,2の美男子、戦いの神マルス(火星)を選び、恋愛関係になる。

 
金星を神話で推測すると、
「~戦いの神マルス(火星)を選び、恋愛関係になる。」では、金星と火星が性と恋愛の誘引力であることを示していて、「彼女の夫は~拒絶されていた」と言われているとおり、結婚が必ずしも愛と関連しているわけではないことを表しています。
 
「海岸に上陸すると彼女の足元には草や花々が生まれた。」は、アフロディテの美の神としての華やかさが伺われます。事実、彼女は女神たちの中で最も美しく、相手が神であれ人間であれ、一目ぼれさせる力を持っていました。しかし人間たちが(ある国の女王)プシケは美の神アフロディテに匹敵するほど美しいと語り始めたとき、アフロディテは彼女に、死刑宣告をしたという話や無理難題を押し付けたという話が残っています。アフロディテは自分以外の美しい女性が近くにいると、彼女たちの容姿、存在感に脅威を感じて、嫉妬し怒りっぽい面を露わにしていたそうです。

第2章 アフロディテに愛された少年

ある国の王妃は自分の娘(ミュラ)はアフロディテよりも美しいと自慢した。その話を聞いた彼女は激怒し、ミュラが実の父に恋をするように魔法をかけた。その後ミュラは、泥酔した父のベッドに侵入し妊娠する。そのことを知った父はミュラを殺そうとした。そのことを哀れに思った神々はミュラを没薬の木に変えた。ほどなくすると、イノシシがその木にぶつかり、裂け目から生まれたのがアドニス。アフロディテはアドニスを冥界の女王ペルフォネに預け、少年になると迎えに来る約束をした。だがペルフォネもすっかりアドニスに夢中になってしまい、彼が少年になってもアフロディテに譲ろうとしなかった。この件に関しては女神たちによって審判が下され、一年の3分の1をアフロディテと過ごし、3分の1をペルフォネと過ごし、3分の1は一人で狩りをして過ごすことになったがアフロディテは全ての時間を自分と過ごせるようにアドニスに愛の魔法をかけた。自分の自由になる時もアフロディテと一緒に過ごす、アドニスの態度に激怒したペルフォネは彼女の愛人マルス(火星)に強力なライバルが現れたことを告げ口した。マルスはイノシシに変身し、狩りをしていたアドニスをアフロディテが見ている目の前で突き殺した。アドニスの流れた血からアネモネの花が咲き、アフロディテはアドニスの死を大変悲しんだ。

 
これまでのアフロディテの愛と美の生活を振り返ってみても、彼女は全くもって誠実な妻でも、従応な恋人でもありませんでした。彼女は最初の頃のときめきが消えてしまうと関係を維持させる努力よりも、愛の女神として恋に落ちることを楽しんだのです。

(まとめ)

金星は恋愛の星ではあるが結婚の星では無い。
美しさに対してのこだわりや嫉妬心と欲深さを見ることができる。何より楽しむことが重要。

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