デジタルマッピング事始め Digital mapping:an introduction
"Almost all of us interact with digital maps regularly for finding directions and the locations of services, like the nearest coffee shop. Yet for most, the inner workings of digital maps remain a mystery. This course provides an in-depth exploration of how digital maps work – what technologies support location tracking, where do the mapped data come from, and how digital maps are used to analyze geographic problems in urban and environmental planning and policy, health, and business. Along the way, you will develop quantitative literacy by learning how to acquire spatial data, make digital maps, and critically evaluate mapping applications." (University course catalog description)
大学1年(または2年か3年か4年)生の皆様、一般教養課程(計量リテラシー)の「デジタル・マッピング」へようこそ!一般教養課程では、芸術、社会の多様性、人間の行動、科学・技術などの広い範囲にわたって、それぞれの分野から好きなコース1つを履修することになっています。自分の専攻は美術、経済学、コンピュータ・サイエンス…など、すでに自分のやりたいことが決まっている人も、そうでない人も、全員必修なのが一般教養です。視野を広げ、これまでなじみのなかった学問分野に親しみ、専門の学びへの土台を作るのが目的なので、どのコースも専攻は問わず、原則として誰でも履修できます。
デジタルマップとは?
紙の地図をデジタルにしたものがデジタルマップーー。それも間違いではないですが、広い意味のデジタルマッピングは、地理空間データを様々な形で利用するもので、成果物がいわゆる「地図」とは限りません。地理情報システム(Geographical information systems, GIS)は「地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術」(国土地理院)であり、このコースでもGISを使います。
地理(または空間)データって何でしょう?地図を作るための測量データはもちろんのこと、住宅・店舗・役所などの所在地、スマホの位置情報、SNSに載せた写真の撮影場所、衛星画像などなどーー。ビッグ・データ時代においては地理データも大きく、多種多様になりつつあります。私たちも毎日の生活の中で、地理データを活用し、かつ、「作って」います。
実習で使用するツール
地図作りの歴史、測量のこと、緯度経度の仕組み、地理データとはーーなど基本の基本を学ぶのが最初の2-3週間で、その後は、GISソフトウェアを使ったマップ作り・空間分析、みんなで作る自由な地図 OpenStreetMap の利用・編集などの実習を多く実施します。グループで大学の外に出ていって、建物やその他の「地物」を観察してデータ化するフィールドマッピングもあります。
大学がある地域と東京都に加え、アメリカの交通事故マップ、世界マップなども作ります!データはすべてオープン・データで、地理データはどこで入手できるのか、GISで使うための加工などについても基本的なことは解説します。
こんなことができるようになります
宿題も課題も試験もたくさんあるコースですが、がんばって修了できたら、次のようなことができるようになります(到達目標)。
1. デジタルマップの基盤である数学モデルを理解できる
2. デジタルマップで使われている地理空間技術を知る
3. オープン・データやその他の空間データを入手できる
4. 基本的なマップ作りと空間分析ができる
5. 空間データ、マップ、空間分析が妥当かどうか判断できる
参考文献
Sustainable Development Goals (持続可能な開発目標、SDGs)に焦点を当て、地図と空間分析が目標達成にどのように役立つのかについてまとめた国連のレポート(下記)を使用します。
United Nations. Mapping for a sustainable world. 2020.
こちらの本(下記)も一部の章を使います。
Bearman, N. (2021). GIS: Research Methods. Bloomsbury Publishing.
このほか、地理空間データを交通事故分析に応用した学術論文を読んだりもします。
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