告知はドラマとは違う:乳がんと診断されて【2】
診察室に入ると女性の医師がマンモグラフィの画像を確認していた。
「がん検診はいつ受けましたか?」
「半年前に受けて、異常なしでした…」
「エコーしましょうか」
診察室が暗くなりエコー開始、数分で「しこり、大きくなってますね。3、4センチはあります。ウチでは検査できないので大きい病院を紹介します。どこが良いですか?」
?!?!?
「○○病院か△△病院か□□病院か…紹介状書きますがどこが良いですか?」
「え…」
「あ、服着てください。説明しますので。」
え?何だ?この淡々とした流れ…
「シコリは4センチくらいあって、一部は石灰化してます。乳がんですね。脇の下にも小さな影が映ってます。
普通は直ぐにウチのクリニックで細かい検査をしますが、pandaさんは心臓の薬を飲んでるのでウチでは検査ができません。
紹介も隣にがんセンターがありますが心臓血管外科が無いので別の病院を紹介します。」
がん宣告ってこんな感じ?ドラマでしか見たことないけど、もっと深刻で、でも情のあるものだと思っていた。
「精密検査をしないと分かりませんが」みたいな少しの希望は残してくれるものだと思っていた。
そしてよく、ガンと聞いた瞬間に頭が真っ白になって…と聞くがそれも無かった。淡々と説明する医師に冷静に聞く私。ただ意味が分からない。半年前に異常無しだったものが石灰化してるってどういう事だろう。あの時既にあったのか?
疑問をぶつけたものの納得のいく回答はもらえなかった。逆に
「どの病院を紹介しましょうか?詳しい事は大きい病院で聞いてください。検査から手術まで。」
と一方的に話を進められ
「他の患者さんも居るので紹介する病院が決まったら声を掛けてください。」
追い出されるように診察室を後にした。
どの病院が良いのか。分かるはずがない。名医の居る病院を教えてよ!と怒りさえ覚える。
結局、前に膝の腫瘍を取ってもらったことのある病院に決めた。
あの時の主治医はとっても良い先生だったから。
今回もきっと良い先生に出会えるはずだ!