転院:乳がんと診断されて【58】
主治医と最後のやり取りがあった日から2週間弱で新たな病院に転院した。
転院手続きは思いの外スムーズで、病院内の相談センターの担当者が、転院先の予約や紹介状の手配等、全て対応してくれた。
それにしても相談センターなんて所がある事を、今の今まで知らなかったよ。普通、治療開始と同時に説明してくれるものじゃないのか?知ってたらもっと早い段階で転院を考えていたかも…と思うもあとの祭りだ。
転院先の病院ではがん治療専門の看護師さんがいて、希望すれば診察時の説明を一緒に聞いてくれて、不安なことも随時聞いてくれるとの事だった。そして相談支援室が常設されていて、利用方法の説明も初診日にあった。それだけで安心度が全然違う。
診察までは待ち時間が長く、かなり時間が掛かったけれど、その間に看護師さんが問診票とこれまでの経過を確認する。
看護師さんは私の持病、これまでの手術歴を聞いて、「えー!大変やったねぇ」と驚いた。
そして、前の主治医の話をした時には「えっ?そんな対応?!(今から診てもらう)○○先生は、ちゃんと話聞いてくれるから、思った事は何でも聞いたら良いからね。」と言った。
そして新たな主治医とご対面。
細身で長身の男性医師だった。失礼ながら内心「この先生は当たりだろうか?」と疑いの目で見てしまう。
紹介状やこれまでの検査結果を見ながらこれまでの経過を順を追って確認。今飲んでいる薬を確認する。
結果、大まかな診断は前の病院と同じ。ただ薬は…
「この薬はいつから飲んでますか?」
「えっと、、6月に骨転移かもって言われて、その時からです」
「…。pandaさんは閉経前ですよね?」
「はい。ホルモン療法で生理は止まってますけど閉経前です。。」
「このお薬は飲まなくて良いです。」
「え?良いんですか!?」
「はい。何で(前の主治医が)このお薬を選択したか分からないですけど、効いてないですから。」
「えっ😨」
この薬、6月に骨転移してるかもという診断で、それまで飲んでいたタモキシフェンに代わって飲み始めていた。タモキシフェンは女性ホルモンを抑える薬。
新しく処方されたのはアナストロゾールといって副腎からの男性ホルモンを抑えるもの。
女性ホルモンはリュープリンの注射で抑えてるから飲み薬で男性ホルモンを抑えるのかと理解していた私。
なのに、そもそもアナストロゾールは閉経後の人に効果があるといものだったのだ。
衝撃の事実を知って思うことがある。
この薬を飲み始めて、脱毛が気になっていた。ゴッソリ抜ける訳ではないけれど、毎日櫛を通す度に気になっていた。
この5ヶ月で結構抜けたよ!
無駄に抜けてただけって😭
私の大事な髪の毛を返せー!
と本気で思う(笑)
そして、
やっぱり転院してよかった。
こうして少し大きな衝撃と共に、新たな治療への道が始まったのだった。