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トヨタが全固体電池のEVを2027年に実用化へ
No.39
トヨタ全固体電池は、電気自動車(EV)の性能向上に向けて開発されている次世代型の電池です。電解質に液体ではなく固体を使うことで、高出力で小型化しやすく、長い航続距離や充電時間の短縮などの利点があります。
トヨタ自動車は、この全固体電池を早ければ2027年にEVで実用化する方針を明らかにしました。10分以下の充電で約1200キロメートルを走行でき、航続距離は現在のEVの2.4倍に伸びるとしています。また、工場内で組み立て途中の車が自走することで生産ラインの投資を抑えるなど、開発と生産のコストも大幅に削減する計画です。
トヨタは、全固体電池を搭載したEVを2030年に世界販売目標の350万台のうち170万台で投入する見通しです。脱炭素社会への動きに対応するため、水素を燃料にした燃料電池車も強化し、複合的な戦略で競争力を高める方針です。
全固体電池の仕組みは、電池を構成する電極と電解質がすべて固体であることが特徴です。電池から電気を取り出す仕組みは、リチウムイオン電池とほとんど同じで、金属を材料として使う2つの電極(正極と負極)と、その間を満たす固体電解質によって構成されています。充電と放電の際には、イオンが固体電解質を通って正極と負極の間を移動することで電気の流れが生まれます。
全固体電池の種類には、「バルク型」と「薄膜型」があります。バルク型は、電極や電解質の材料に粉体が使われており、蓄えられるエネルギーの量が多いです。主に、電気自動車など大きなものに使用することを想定しています。薄膜型は、真空状態で電極の上に薄い膜状の電解質を積み上げるという方法で製造される電池で、蓄えられるエネルギーの量は少ないですが長持ちします。小型なのでセンサなど小さなデバイスに使用するのに向いています。
全固体電池のメリットは、以下のようなものがあります。
低温から高温まで耐えられる。
急速充電が可能。
寿命が長い。
形状の自由度が高い。
全固体電池のデメリットは、以下のようなものがあります。
高コスト。
製造技術の課題。
低温時の性能低下。
全固体電池は、さまざまな分野で使われる可能性があります。特に、以下のような用途が想定されています。
電気自動車(EV)
家庭用蓄電池
ポータブル電子機器
ウェアラブルデバイス
グリッドエネルギーストレージ
宇宙・航空分野
医療機器
全固体電池は、まだ開発途上ではありますが、電気自動車やその他の分野で大きな可能性を秘めています。今後の開発が期待されます。