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「死んでいない者」を読んだ

「死んでいない者」滝口悠生
手に取ったきっかけ
2024年4月。コロナが落ち着いてから初めての東京2泊3日の旅。この旅の目的は「落語」と「読書」。「プルーストを読む生活」(柿内正午著)で知った「本の読める店fuzkue 初台」行くことにした。ここで読むなら、柿内さんが好きだと書かれていた滝口悠生の作品と決めていた。紀伊國屋書店新宿本店で本を手に入れた翌日、友人と初台駅で待ち合わせてお店に向かった。

読書期間
2024年4月上旬〜下旬。

あらすじ
通夜が奇跡の一夜に。芥川賞受賞作 ある秋の日、大往生を遂げた男の通夜に親戚たちが集った。 子、孫、ひ孫三十人あまり。 縁者同士の一夜の何気ないふるまいが、死と生をめぐる一人一人の思考と記憶を呼び起こし、 重なり合う生の断片の中から、永遠の時間が現出する。 「傑作」と評された第154回芥川賞受賞作に、単行本未収録作「夜曲」を加える。(文庫本裏表紙より)

●「すごく素敵な空間だった!でもここは、久々に会う友達と、1軒目に行くとことちゃうな😆」
fuzkueに訪れたのは初めてだったのだけど、とにかく「読書をするための空間」。落ち着いた調度品、素敵な手作りのクッション、程よく置かれた観葉植物。食べ物のメニューも充実していて、お酒まで楽しめる。ついCOEDOを頼んでしまった。会って早々ご飯を食べつつ、無言の読書タイム。互いにお気に入りの本を読み、2時間ほど過ごす。が、店のドアを開けて外に出た直後、二人で顔を見合わせ大笑い。友人が発した一言「すごく素敵な空間だった!でもここは、久々に合う友達と、1軒目に行くとことちゃうな」。私も「たしかに!」と。その後、別のお店で、堰を切ったように4時間ほどしゃべり続けた。話の内容はほぼ覚えていない。けれど、四半世紀以上も付き合いがあるのに、一緒にお寿司を食べに行くのが初めてで「あれ?うちら、魚介類の好み、全然知らんくない?」「だってさ、いつも行かないじゃん」「あ、そうか!いつもお魚は行かなかったもんね」。そんな他愛もない一日を過ごした、想い出とともに存在する一冊。

おすすめポイント
「死んでいないもの」の意味は、おそらく読者に委ねられている。結末だけではなく、物語の全体を通して、余白を感じさせてくれる作品。登場人物がとても多いので、家系図を書きながらだと頭が整理しやすいかもです。お酒を飲める人には、酔わない程度に飲みながら読書をすすめたいな。

fuzkueさま、また行きたいです
今回は初台に来店させていただきました。下北沢、西荻窪にも行きたいな、と思います。本好きの友人(彼女は十二国記の大ファン)はこういうのに付き合ってくれるのです。次回は「2軒目」で!

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