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「考古学者が発掘調査をしていたら、怖い目にあった話」を読んだ

●読書期間
2024年8月ごろ〜10月30日

●手に取ったきっかけ
タイトルが面白そう。表紙の絵が楽しい。帯が気になりすぎる。本当にそれだけで選んだ。史学地理学科卒業ということで、学生時代は発掘調査に参加していた友達もたくさんいたので。

●エジプト・シリア/中国/ペルー、それぞれの怖さ
3人の考古学者の専門領域がそれぞれ違うため、それぞれの怖さがある。当事者も怖い怖いと言いながら面白がっているフシがあるため、読んでいて非常に面白い。ミイラ、人骨、わけがわからないうちに犯罪に巻き込まれる、1年前の小包、強烈な珍味、日本とは全くなるトイレ事情、性欲、そして政治…怖い、がやはり面白いが勝つ。

●関西人のノリ、その正体
エジプト・シリアの章を担当されている大城道則先生は我が先輩であった(入れ違いだけど)。第一線でご活躍されている先輩がいるのはとても嬉しい。wikipediaによると「兵庫県生まれ。そもそも父が埋蔵金マニアであり、幼少期より山奥の発掘現場に連れられていたことをトークのネタにしている」そうだ。ネタ帳書いてそうな感じする。

●発掘現場、現地での生活写真が豊富で楽しめる
モノクロとはいえ、多数の写真が挿入されている。グロテスクなものから人類の歴史の壮大さを感じさせるものまで、多種類に及んでいるので、気になったところから読むことも可能。タイトルも面白おかしい(しかし内容はとても勉強になる)ので、考古学や歴史に関心のある小中高生にも気軽にオススメできそう。

●見えない存在の怖さ
私自身は発掘現場には行ったことがないのだが「発掘って体力仕事で、遺跡に向き合うと同時に、自己および見えない存在との向き合い方も半端ないな」と感じる。当時の同級生たち、夏が終わるといつも真っ黒になって帰ってきていたけれど、その過程で多かれ少なかれ、いろいろなものと向き合っていたのだろうな、と。流石にミイラとは出会ってないと思うのだが、人骨には出会っていたかもしれない。

●歴史や考古学の深い知識はなくていい。楽しもう、武勇伝を
私自身が歴史に興味を持ったきっかけはもはや忘れてしまったのだが(なにせ、小学校高学年の気がついたころには、誰に見せるわけでもなく、勝手に社会科ノートをひたすら作っていたので)この本はなんだか、ワクワクする。日常から冒険がなくなりつつある今だからこそ、多くの人に手に取ってもらいたい1冊。


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