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喉が痛いときの漢方の使い分け

喉の痛みを訴える方が非常に多いので、急遽、咽頭痛に効果があると言われる以下の5つの漢方薬についてまとめて見ました。症状や原因によって選び方が変わるのが漢方の面白いところです。それぞれの特徴と使い分けのポイントを簡単にまとめてみました。


1. 桔梗湯(ききょうとう)

咽頭痛に特化したシンプルな処方で、桔梗と甘草の2つの生薬だけで構成されています。

構成生薬 桔梗(ききょう)、甘草(かんぞう)

こんなときに使います

• のどの痛みがあるけれど、そこまで腫れや熱感が強くない場合。
• 扁桃炎や咽頭炎の初期に、軽い炎症を抑える目的で。

シンプルですが、喉を潤し、痛みを和らげる力があります。ちょっと喉がイガイガするな、というときに役立つ漢方薬です。


2. 桔梗石膏(ききょうせっこう)

桔梗湯に「石膏」という熱を冷ます力が加わった処方。桔梗の喉の痛みを取る作用と、石膏の熱を取る作用のコンビネーションが特徴です。

構成生薬:桔梗(ききょう)、石膏(せっこう)

こんなときに使います

• 熱感や赤みが強く、喉の腫れがひどいとき。
• のどの痛みに加えて、発熱や灼熱感を伴う場合。

特に、のどが「赤く腫れて熱を持っている」状態にぴったりです。

3. 甘草湯(かんぞうとう)

甘草だけのシンプルな処方です。甘草には炎症を抑え、喉の粘膜を保護する作用があります。

構成生薬:甘草(かんぞう)

こんなときに使います

• 軽い喉の痛みや、慢性的な喉の不快感。
• 声を使いすぎた後の喉の疲れや、刺激物による喉の炎症。

あまりにも痛みが強い場合には物足りないかもしれませんが、「喉をいたわる」目的で使うにはおすすめです。

4. 銀翹散(ぎんぎょうさん)

咽頭痛だけでなく、風邪の初期症状全般に使える漢方薬。喉の腫れや痛みに加えて、全身の熱や乾燥感を取る力があります。

構成生薬:金銀花(きんぎんか)、連翹(れんぎょう)、薄荷(はっか)、牛蒡子(ごぼうし)、桔梗(ききょう)、荊芥(けいがい)、淡豆豉(たんずし)、竹葉(ちくよう)、甘草(かんぞう)、芦根(ろこん)

こんなときに使います

• 喉が痛いだけでなく、熱感や軽度の悪寒が見られる風邪の初期症状がある場合。
• 喉の乾燥感やイガイガ感が気になるとき。

風邪のごくひき始めに「喉が腫れて痛い」という場合に非常に役立ちます。


5. 駆風解毒湯(くふうげどくとう)

銀翹散に似ていますが、さらに炎症や腫れを強く抑える力がある処方です。特に喉の腫れが激しいときに使われます。

構成生薬:防風(ぼうふう)、牛蒡子(ごぼうし)、連翹(れんぎょう)、荊芥(けいがい)、羗活(きょうかつ)、桔梗(ききょう)、甘草(かんぞう)、石膏(せっこう)

こんなときに使います

• 喉の腫れがひどく、炎症や熱感も強い場合。
• 風邪やインフルエンザの進行期で、喉の症状が顕著なとき。

銀翹散よりももう少し強めに喉の炎症を抑えたいときに選ばれることが多いです。

使い分けの要点

処方 適応する咽頭痛の特徴 主な使用場面
●桔梗湯  
軽度~中等度の咽頭痛、炎症 一般的な咽頭炎、痛みが軽度な場合
●桔梗石膏 
熱感が強く、腫れや赤みが顕著 高熱を伴う咽頭炎、急性の腫れ
●甘草湯   
軽度の炎症、慢性的な咽頭不快感 喉の不快感が軽度で、慢性的な場合
●銀翹散   
発熱、乾燥感を伴う風熱タイプの咽頭痛 風邪やインフルエンザ初期、炎症が中等度の場合
●駆風解毒湯  
炎症や腫れがさらに強い場合 風熱によるのどの腫れや炎症が激しい場合

喉の痛みの原因や症状の特徴によって、選ぶ漢方薬が変わります。例えば、
軽い痛みや慢性的な不快感 → 甘草湯や桔梗湯
熱感や腫れがある場合 → 桔梗石膏や銀翹散
炎症や腫れがさらに強い場合 → 駆風解毒湯

まとめ

漢方薬は喉の痛みを「全身の状態の表れ」として捉えるため、風邪の初期なのか、炎症が強いのか、慢性的なものなのかを見極めることが大切です。

症状に合わせて、適切なものを選んでみてください。もし迷ったときはご相談くださいませ〜

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