『大丈夫。3人目は楽やから』って言うたん誰や!/第三子出産の記録
2021年5月19日15時38分 第三子を出産した。一人目も、二人目も予定日より少し早めに出てきていたので『きっと、三人目も早めに出てくるだろうな〜』と思っていた。
●出産は奇跡的で感動的
予想的中!5月30日の予定日よりも11日早く娘を抱きしめることができた。出産って人それぞれだと言うので、参考にならないかもしれないけど、私の場合、赤ちゃんがお腹の中から出た直後って、お腹の中でペタンと内側からの圧力が無くなる感じがして、自分のお腹が自分のお腹じゃないみたいな気持ちになる。
先生が『はい、お疲れ様〜。赤ちゃんだよ〜。』と、お腹の上に乗せてくれて、重みがお腹の上にかえってきてやっと『そうそう、これこれ』と、落ち着ける感じ。
トツキトオカ(10日早く生まれているから、厳密にはトツキ?)お腹の中にいたんだから、急に居なくなったら、お腹の中が『あれ?』って寂しくなるのも無理ないかもしれない。
何はともあれ、無事に産まれてきてくれてよかったと、重いような軽いような3000gぴったりの三女を抱えて息をつく。
・・・と、産後の部分だけを切り取ると感動的。いや、感動的なのは事実だからそれはそれでいい。でも、その前に壮絶な時間があることを忘れちゃいけない。尺で言うなら、壮絶な時間の方が長いってことも言い添えておく。
●やっぱり、お産は壮絶
一番伝えたい大切なこと言うよ、いいかな。『大丈夫!3人目は楽やから』て言うたん誰や。妊娠中、出会う人にもれなく言われた言葉だ。『3人目なの!じゃあ余裕ね』とか『それなら早く産まれちゃうね』だとか言われ続けたけど、全然楽ちゃうやん。聞いてた話と違いすぎる。痛いもんは一人目も二人目も一緒や。
大事なことやから、もっかい言うよ。『大丈夫!3人目は楽やから』て言うたん誰や。コンビニのレジのおばちゃんとか、スーパーの店員さんにまで言われたけど。ほんまそういう風潮やめよ、日本。痛い時間が短い人は多いのかもしれん。でも痛いもんは痛いし、決して楽やない。しかも私の場合、陣痛時間は次女より三女の方が長かった。
●それは前日から始まっていた
前日の夜から『あ、痛いかも』と感じ始めて、翌朝4時くらいから『あ〜、これは今日ですね』と確信に変わる。これは確実に初産の時は分からなかった感覚だ。例えるなら縄跳びの二重跳びが出来るようになって分かる飛び方の感覚とか、一度逆上がりに成功したらその後は余裕で回れるようになるみたいな、一度体験して初めて掴める感覚。
旦那さんの拓ちゃんが起きてきて『大丈夫?』と声をかけてくれたので『今日こそは、産まれるみたい』と伝えると冷静に実家に連絡し、上の子どもたちのタオルやオムツをカバンに詰めて保育園に連れていく用意を始めた。すごい、3人目の余裕を醸している!
ちなみに、一人目と二人目の時の拓ちゃんは、産まれるかもと伝えた瞬間『ほんと!やった!ドキドキしてきた!早く会いたい!』と飛び跳ねていた。産前で当時ピリピリしていた私に『ちょっと落ち着いて!そんなすぐ産まれへんわ』と一蹴されて、尻尾の垂れ下がったゴールデンレトリバーみたいになってた。ごめんね、拓ちゃん(笑)
後日、この日の朝、拓也が書いていた次女の保育園手帳の保護者コメントを見ると『産まれそうです!!』と走り書きされていた。あれ?意外に冷静でもない?
●もう少し痛くなったらって、どれくらい?
産前、助産師検診で『陣痛間隔が10分切ったら病院に来る感じにしよっか!3人目だし進みも早いだろうから』といわれていた。(でた!【3人目だから説】もう絶対信じない)10分切ったので産院に連絡すると『まだ余裕ある感じかな?』と聞かれた。この質問の回答は難しい。一人目や二人目の出産の時、強烈に痛い記憶があったので、それに比べたらまだ大丈夫。そう答えて痛みが強くなったら、病院にいくことになった。
1時間経って陣痛間隔は変わらないものの痛みが強くなってきた。陣痛が来たら話すのもしんどい。『さすがにそろそろ病院に行っていいんじゃない?』と拓也に背中を押されて再度産院に連絡。『とりあえず入院グッズをもって病院に来てみてください〜』と淡々と言われる。で、そのまま入院。陣痛室待機が始まる。
毎回思うんだけど、お産って私たちにとっては一生のなかでもかなり印象的な1日が今日なんだけど、助産師さん達にとっては日常の一コマ。だから温度差がすごい(笑)いや、先生が冷静じゃなきゃ困るからいいんだけど。必死に痛みに耐えてフーフー言っているのに『うん!まだまだだね〜!』と答えるその軽やかさが初めての時は衝撃的だった。先生は全然悪くないのだけど、痛みに我慢できなくなってくると、この軽さが憎くなってくることをお産3回目の私は知っている。
一緒に頑張ろうね的温度感を期待してしまう私としては、こんな時立ち会いの人が一緒にいてくれるのは心強い。今回はコロナ禍でのお産だったけど、立ち会いが出来る病院だったので、迷わず拓ちゃんにお願いした。3回目ともなると立ち会いのプロ!陣痛のタイミングでお尻をピンポイントでを押すのも、水分補給もさすがのサポート。なかなか陣痛間隔が縮まず、だらだら痛みに耐えるだけの時間が続き、精神的には一番キツかった時間を私はひたすら旦那さんにお尻を押してもらって乗り切った。そういう意味で今回は夫婦一緒に乗り越えた感が一番強いお産だった。
●やっと分娩台へ
『じゃあ、今のうちに』と先生のOKが出た時には陣痛が、始まってから12時間が過ぎていた。誰や、3人目はすぐやとか、楽やとか言うたん。痛みもピークで『いたーい!!!痛い!』と叫んでいた私に『いきんでOK』の声が掛かり、グーっと力を入れたら・・・あ、出てきてる。ここまでの辛さどこいった?くらいのスムーズさで三女誕生。先生たちもビックリ。分娩室に入ってからは10分掛からず生まれた。なに、3人目は楽ってこういうこと?
それ、あえて言うとしたら『3人目のお産だから、楽なこともあるかもね〜』でしょ。今回、最後はつるッと出たけど、分娩室に辿り着くまでの道のりは超ハードやった。富士山登頂?登ったことないけど、きっとそんな感じ。
そんなこんなで産まれてきてくれた三女。やっぱり痛いものは痛いし、楽なことは決してない。だからもう予定はないけど、もしものことがあったら今度こそ、絶対無痛分娩を選ぶことにする。絶対の絶対!