そしてきみは「何者か」になる【ワールドエンドヒーローズ感想】
文章は大して得意ではないのですが私が書きたいので書きます。考察とかも苦手だしプレゼンでもないただの私の感想です。一部ストーリーのネタバレがありますがご了承ください。
2020年6月23日に「ワールドエンドヒーローズ」というアプリをDLしました。
いま指揮官名刺を見返したらちょうど今日で2週間だそうです。もう2週間も経つんだ、とびっくりしました。
アプリゲームをダウンロードするのはとても久しぶりでした。
というのもスマホの容量が常に重いのでダウンロードしたところで長続きがしないのとそもそも横画面のアプリゲームが少し苦手でした。できれば全部ブラウザがいい……と常日頃言い続けいろいろとみんなが楽しそうなことをしている中、ダウンロードを試みて容量に泣き、縦画面のブラウザゲームをぽちぽち続ける日々でした。
なのでワールドエンドヒーローズ自体もかねてよりいろんなフォロワーから勧められる機会も多くストーリーがいいと聞くけれど容量がなあ、と思っていました。
そんな中このタイミングでインストールを試みたのはひとえに良質な読み物が読みたかったということとそれ以上にフォロワーたちを見て「あの人がこんなに好きなものに私も触れてみたい」の気持ちが大きかったのだと思います。
私は私のフォロワーやそのお友達が愛を持って何かに夢中になっている様子を見たり楽しそうにしていたりするのを眺めるのが好きです。フォロワーたちが嬉しそうだとわたしも嬉しいのでもはやメインジャンルはフォロワーかもしれないね。好きな人の好きなものを知りたい、というのは作品との出会い方としては少し不純だったかもしれません。
でも私が好きな人たちが好きなもの、という時点で十分に信頼に足るのです。
そして迫りくる完結までのタイムリミット。今を逃したらもうダウンロードすら出来なくなるかもしれない。きっとこんなタイミングじゃなくてもっと早くDLしていたらもっと早く出会えていたら、私みたいな人間がみんなもっと早く行動をしていたら未来は変わったのかも知れない、と思います。
そこについては非常に既存指揮官の方々に申し訳ないな、と思いますしどうしようもないのはわかっているけれどもっと早く出逢いたかった(あと欲しいカードが多すぎるのでガシャの課金をさせて欲しい。切実。パンダが欲しいです……)
そんな後ろめたさもあるのですがせめて出会えてよかったなあという思いと感謝を綴りたいなと思い筆を執りました。
https://twitter.com/papipapiparade/status/1275891107881086976?s=20
まるで一本の映画を見ているような、そんな感覚でした。
ある日の深夜「今日は一章まで」と読み始め「二章まで」「いやここで終われるか……!?」とずるずると次の話を開き続け、私はこの物語を観測しなくてはならないのだと、そんな気概に駆られて気づいたら朝でした。
その日の早朝に地震があったのですがちょうど4章を読んでいるところだったので物語と連動して私が揺れてるのかなとか思ってたら普通に地震だった。あと地震で起きてきたフォロワーたちにちょっと引かれた。私はあなたにワヒロを薦められたんですけどね!?!?!?(※平日の夜中にメインスト一気読みする人間の方がおかしいです)
おかげで次の日の仕事でのパフォーマンスが本当に最悪だったわけですが(人間としてクソすぎだよ)、一度に読みきれなかった方がきっとダメになる方の人間なので判断は間違っていなかったのだと思います。閑話休題。私の話はいいんですよ!!ワールドエンドヒーローズの話に戻ります。
さて、私は人間が好きです。そういう言い方をするとなんだか少し語弊があるのですが、どちらかというとヒーローや圧倒的なチートキャラなんかよりは実在人間のうまく生きられなかったり悩むところの方が好きです。
そして生まれた時からのヒーローではなく「何者でもない」という文脈が非常に大好きです。だって何者かであると自分で断言できる人の方が少ないじゃないですか。思えば超能力じみた力が使える某サッカーゲームでも周りのみんなが華やかで派手な技を難なく繰り出す中突出した才能もなく公式からも器用貧乏だと言われ何者にもなれないまま、それでも愚直にひたむきにサッカーと向き合う子が好きでした。
なので「ヒーローかあ」と思っていたところが正直あります。きっとみんな生まれながらにして才能に溢れた人気者なのだと。もしくはヒーローとして能力が目覚めてから全員が真っ直ぐに敵を倒すのに奮闘するキラキラした話なのかなとか。
もちろんどこまでも前向きで悪者をやっつけるヒーローというのはかっこいいんだけど時に眩しすぎる時がある。
だけどそこに居たのは人間でした。確かに彼らは血性が高くてヒーローとして活躍しているけれどその行動や葛藤はどこまでも生きづらそうで、人生というのはかくも生きづらいけれど、それでも生きて戦わねばならぬ、それぞれのヒーローとしての信念のもとに、という彼らの姿はどこまでも愛おしく私が愛した人間たちでした。ただ前向きなだけではなくちゃんと葛藤や過ち、それを悔いる姿を一人一人見せてくれて、それでもなお生き続けようとする彼らはもはやキャラクターという枠を超えて人間と呼びたい。それほどまでに「人間らしい」彼らが愛おしいのです。
またヒーローたちが戦うべき相手であるアンノウンズたちも完全なる悪というわけではなく、彼らもまた彼らの正義のもとに戦っている。それに気づいた瞬間あの世界がたまらなく愛おしくなりました。私は斎樹くんと久森くんに絶対に勝って欲しかったけれどユウナギさんにだって負けて欲しくなかったんですよ。あんなにヒーローたちを苦しめた宿敵が死んでしまうのが、消えてしまうのが悲しくて悲しくて夜中に一人で泣きました。斎樹くんと久森くんが目を覚まさないのも普通に辛すぎてずっと悲しんでいるし、戦闘不能になるレベルまでヒーローを苦しめた存在を憎しむべきなんだろうけど、ユウナギさんが消失してしまったのも悲しいしその最期にせめて斎樹巡がいて、その手でとどめをさしてもらえたのはよかったのだろうな、と思うけれどやっぱりどっちにしろ悲しい、みたいな。
そんなふわふわとしたおぼつかない感情をずっとこねくり回して敵も味方もみんなのことを好きになれる作品というのはすごいなあ、と思いました。
人造人間たちもきっとちゃんと人間なんですよ。それが好きだった。 フォロワーたちが口を揃えて「みんな好き」「この子が大好き」「あのイベントが好き」「メインストーリーはしんどいけど好き」と楽しそうに教えてくれる理由が分かった気がします。みんな好きになっちゃうよなあこんなの。アンノウンズ含めてみんなでどうにかしてそれぞれのハッピーエンドを迎えられませんか??だって私全員好きだよ……(101話のモブとか斎樹両親はあまり好きではないけど) アンノウンズもちゃんときれいに幕引きさせてあげてくれ……頼む…… そんなことを言ってたら届いたアニバブックではちゃんとアンノウンズのキャラ説明のページがあったり前の方にあるクレヨンのミニキャラのイラスト(とても可愛い!!)にちゃんとアンノウンズたちもいてこうやってちゃんと敵の子たちも大事にしてくれる作品が大好きだな、と思いました。
また生きづらさというのは誰しもが抱えるもので、それさえもバネにする子、受け入れる子、まだ共存の道を探って模索している子とみんな様々な選択をしているのが好きです。
例えば斎樹巡くん。正直ダウンロードした時はそこまで気に留めてなかったんですよ。顔がかわいいな、くらい。
ミュータント手術か〜〜大変そうだなーみたいな。50話かっこいい!好き!みたいな。
1章や2章に出てくる彼は賢くてなんでも卒なくこなす子なんだろうな、と当初の印象とさほど変わらない印象を抱いていました。
久森とのユウナギ戦より前でも出てくるたびにスマートで格好いいので「男前!かっこいい!すき!!!!!」とはなるのですが格好良いものが好きなのは人間の摂理なのでそこまで思い入れもなく。
そんな彼が自らを「失敗作」だと言われたことを責め続けその先でたどり着いたヒーローという道。戦闘は戦闘が得意なやつに任せるべきだ。自分でもヒーローを続けるのが不思議。それでもなお斎樹巡はヒーローであり続ける。
あんなに完璧だった彼があの戦闘を終えて出てきた「がんばっただろ、おれ」。
「失敗作」と言われてもなおきっと親に愛されたかったのだと気づく彼がきっとずっと言いたかったであろうその言葉。平仮名なのは倒れる寸前なのもあるけれどそんな子供じみたことだって一度も言えなくて。
どこまでも聡くデザインされているがゆえに彼はよく頭が回るし頭が回るゆえ聞き分けが良かったのであろう彼だってまだ17歳。まだまだ子供なんですよ。周りの大人や先輩にいっぱい甘えていい年頃だし、聞き分けがいいフリなんてしなくてもいい。
でもそれができないからこそ斎樹巡は人間なんだと思います。聖歌だって本当は聞きにきて欲しかったし病院の子供たちのように自分だって話が聞いて欲しい。そんなの当たり前の感情なのに蓋をしようとする、そんな生き辛さが斎樹巡は決してロボットなどではなく人間であるとたらしめている、というのもまた皮肉な話ですが、彼のそんなところが好きだなあと感じました。だから彼がイベストで楽しそうにしてると本当に嬉しくなってしまう。そういうふうにデザインされてないと彼は言うけれど運命を覆せるように遺伝子のデザインだってどうだってなるんですよ。人間だから。水結晶分子で出来た雪は濡れて不快でも雪うさぎは可愛いし楽しいから没頭しちゃうの本当に「斎樹巡は人間!!!!!!!」って大喜びしちゃった。喜び方が邪悪。
そんな彼を親友だと称し大きすぎるくらいの愛を惜しみなく与える頼城さんや慕ってくれる柊くん、それぞれ価値観や生きてきた背景は違うけれどお互いのことを認め合って尊敬し合う他校の同級生の二人、そんな人たちと彼が出会うことでまたいい方向に作用しているのも本当に良かったなあとしみじみと噛み締めています。
81話をきっかけにずっと斎樹くんのことばかり考えていて斎樹くんを知りたくてイベストもチマチマ読んでいるんですけれど誰か一人が知りたくてストーリーを開けるたびに他の子の好きなところもたくさん見つかるので読んでいて本当に楽しいです。
今は斎樹くんを中心に読んでるので斎樹くんの話しかできないのですがいずれは他の子たちのことも知りたいなと思ってるのでおすすめのイベストや今のイベントでもらえる復刻のカードがあったら教えていただけると嬉しいです。そうそう。斎樹くんで騒いでたらいろんな方から「絶対とったほうがいい」と言われた聖歌の巡くんがうちにもきてくれました!嬉しい!!絵がうまい!!可愛い!!!カドストも読んだのですがこれを読めて良かったなと思いました(聖歌について話したいことはいっぱいあるのですがまとまらないのですいません。巡くんとみんな、そして指揮官さんが出会えて良かったな……「約束」について考えるとぐちゃぐちゃになっちゃうけど私は守りたい、けど守るような日は来て欲しくない……本編の展開辛くない……???みたいな感じです。辛い)いろいろ教えてくださるみなさん本当にありがとうございます……!
また私が「このアプリ好きかも!」と思ったきっかけにで浅桐さんの「オレの物語において、お前は《モブの少年》を脱する」という言葉があります。本当にダメなんですよ、地味で目立たなくて何者でもないいわゆるモブ顔と称されがち(どんな子たちも私はモブだなんて思ってないし好きな子の顔をそういうこと言われるとちょっとムッときちゃうんですけどまあ一般論として)な男の子がその中でなお輝く姿というのが本当に大好きなんです。慎くんは身体が弱く「僕には僕のできる人生を頑張ろう」と「輝く人」に憧れるただの人だった。でも浅桐さんの最高のハッピーエンドにおいて三津木慎は「何者かである」ヒーローとなる。かつて憧れた姿のように。ダメだったらだめでもいい。でもそれは諦める理由ではなく志す理由だ。楽なわけがない。それは本望であるときみは笑う。だってきみは世界を救うヒーローなのだから。慎くんにかけられた言葉ではあるけれど慎くんに限った話ではなく。
例えば頼城さんが血性がなくともヒーローになるべくミュータント化手術を受けたのとか、「お前(慎くん)みたいな市民のためにヒーローになった」佐海くんとか、物語において何者かになる理由だなんてどんな定義だってよくて。そういう意味では15人のヒーロー全員が主人公なのかな、と思えるんですよ。何者でもなかった君たちを何者かにたらしめるヒーローという使命。それは時に足枷となることもある。けれど君たちは戦うのだ。君たちの正義のために。
「ヒーローなんて、 かっこいいもんじゃない」
ワールドエンドヒーローズのキャッチコピーです。
彼らは生まれながらにしてヒーローなわけじゃない。今ここでヒーローである、自分を「何者かである」と定義するだけの理由があってここに立っている。 戸上さんの「みんな、守るべきものを守りたい。それだけの話だ」という言葉が好きなのですが、彼らは格好良くなるためにヒーローをしているわけでもなく、ただただ己が守りたいものがあるのだとそういう生き方だとか戦う理由があるわけで私は彼らのそういう部分が好きだからきっと彼らの迎えるフィナーレを見届けたいのだと、そして「運命を変える」彼らに祈りを続けたいのだな、と思います。
運命というものはヒーローたちにとって覆すものでもありますがそれでもあえて言いましょう。この出会いは運命であると。
もっと早く出会いたかったな、という気持ちは変わりませんがこのタイミングで出会う、そういう運命。もしくは知らないままの運命を覆した先に今があるのかな、なんて考えてます。
私はこのタイミングで「ワールドエンドヒーローズ」に出会えて良かった。完結を見届けることができそうで良かった、そう思うのです。
余談
私はパンダのオタクなのですが御鷹くんの【伸ばした手】のカードでパンダの尻尾が白なこととデフォルメされてる中でも第6の指と呼ばれる出っ張りが前足側だけにあることで「まじでパンダ好きな人の絵では!?」と大喜びしました。ありがとうございます。(大きさの違いについてはツッコみたいんですけど大小様々なパンダに囲まれる美少年が最高なのでそこでチャラ)
パンダの尻尾黒く描かれがちなところをちゃんと白い時点で好感度が高いのに前足と後ろ足の肉球の違いまで描いてくれるの本当にちゃんとパンダを調べた人もしくはパンダが好きな人なんですよね……ロケ場所のモデルもここかな?とちゃんと推測できるし本当にいい絵です。チャイナ服を着せた男の子にパンダを抱かせたいというファンタジーとパンダに対する本気が同居している。
そもそもパンダまみれの男の子のカードが実装されてる時点で最高。羨ましい。斎樹巡とパンダのカードもほしいです。あと御鷹くんのパンダも引かせてくれ……て毎日祈っている。アニバブックを買って良かった。高画質の紙のパンダ……(パンダ以外もめちゃめちゃ最高の本です)
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