今日も新宿ではネズミが死んでいる
朝5時。新宿歌舞伎町一丁目。終電を逃した酔っ払い達ものろのろと起き上がる頃合い。眠い目を擦りながら鉄製のボロ階段を降りたところに一匹のネズミの死体が落ちていた。
うわ。サイアク。朝から気分の悪いものを見た。舌打ち一つを餞にネズミの死体を見るのをやめる。早朝の街にはわたしと同じようにどこか眠たげな表情をした人間がちらほらいたけれど誰もネズミの死体を見て大袈裟に驚いたり悲しんだり気持ち悪がったりはしなかった。ネズミの死なんてこの街では日常茶飯事なのである。雑居ビルの一角を借りた狭