日記的なやつ

小学生の頃、仲良くしていた隣のクラスの子がいた。
学校が終われば毎日のように遊んで、本当に仲が良かった。

ある時、その子に言われた。
「もう友達じゃない。好きじゃなくなった」

そう言われる数日前、私は家族と旅行に行っていた。
自分のクラスの人たちにはお菓子を買って、そのお友達にはキーホルダーを別で買っていた。

旅行から帰って次の日、私はクラスのみんなにお菓子を配った。
隣のクラスのその子には、大切に梱包したキーホルダーを帰り道であげようとして、
忘れてしまった。

1番仲が良いと思っていた友達からお土産をもらえなかったことに、深く傷ついたと言う。
何度も謝ってキーホルダーを渡したけれど、
受け取ってはもらえなかった。

わざとじゃなかった。
それでも自分の大好きな人を悲しませてしまった。
幼いながらに、絶望した。

それから2ヶ月経った頃、
その子が骨折をしてしまったと耳にした。
不安で心配で、
隣のクラスに行って声をかけた。
「大丈夫?」
私の声を聞いて顔を見て、
その子は苦い顔をした。
「好きじゃない子に心配されるの、むかつく」

自分が傷つけてしまった相手のことは、
一度そうしてしまったらもう、
心配する資格も力になる方法も何も無くなってしまうのだ。
心配すればするほど余計相手を不快にさせるのだと、
二度とその人を笑顔にすることはできないのだと、
私はもう一度、絶望した。

そんな14年ほど前の自分への失望を、
今日また思い出すことになった。

色んな苦しみがあるけれど、
もしかするとこの類のものが、
一番なす術がなくて苦しいかもしれない。

大丈夫?と打ってみたけれど、
14年前の自分が泣きながら止めてくるようで、
送信ボタンは押せなかった。

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