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分布を広げたハクセキレイ

みなさんは、セキレイを知っていますか?

駐車場などによくいる白黒の小鳥で、よく見ると笑えるぐらい早く足を動かして走っています。
セキレイには様々な種類がいますが、街中にいるものの多くがハクセキレイという種類です。

ハクセキレイ

ハクセキレイは、川沿いや街中によくいる鳥で、日本の多くの地域で一年中見ることができます(沖縄県では冬にしか見られません)。
警戒心が弱く、スズメより街中でよく見られます。

ハクセキレイの他にも、ほっぺが黒いセグロセキレイという種類もいます。日本周辺にしか生息しておらず、海外で人気があるそうです。こちらは街中ではよく見るという感じではなく、川の中流域に多いです。

セグロセキレイ

また、黄色っぽいキセキレイという種類もいて、こちらも街中で見ることは少ないです。

キセキレイ

ちなみにこの3種の以外のセキレイには珍しい種類が多く、普段見る機会はあまり無いようです。

そんなセキレイたちの分布は、実はここ100年ぐらいで大きく変わっています。

ハクセキレイは100年以上前、日本では繁殖しない冬鳥でした。
ところが20世紀に入ると北海道で繁殖するようになり、さらに世紀半ばには東北地方でも繁殖、その後繁殖域は西日本にまで広がりました。

しかしそれに対して元々日本中に年中生息していたセグロセキレイは、近年分布が狭まっているという見方があり、さらにハクセキレイが繁殖域に侵入してきています。

そのような変化が起きたのは、人間の活動の影響が大きいとされています。

ハクセキレイとセグロセキレイ

セキレイは水辺に多い鳥ですが、ハクセキレイは河川から遠いところにも生息できます。
さらに巣の場所にこだわらない上に古巣も使うので、都市でも繁殖することができ、文明の波に乗って分布を広げることができました。

しかしセグロセキレイは水辺に生息し、巣を作れる場所が限られているので、文明の波に押されてしまいました。

セキレイに限らず、都市に適応できる生き物もいれば、できない生き物もいます。
このまま人間が開発を続けていれば、適応する力が低い生き物は絶滅してしまうでしょう。

自然環境をできるだけ破壊しないことがもちろん一番大事ですが、人間が開発した都市の中でも、生き物にとって良い環境を作ることがとても大切だと思います。


※この記事の写真はパンダ鴨撮影です。


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