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シャーマニズムの旅/ジャーニーとは?

シャーマニズムでは、「スピリットの世界へ行くこと」を「ジャーニー/旅 (journey)」と呼びます。

そもそも「スピリットの世界へ行くこと」ってなんでしょう?シャーマニズム以外のスピリチュアル実践をしている人々の多くは、瞑想のことでしょ?と思われるかもしれません。私もシャーマニズムを深く実践するまで、そう思っていました。または、他者からはわからないだけで、ジャーニーのような瞑想をしている人もいるかもしれません。

実は、毎晩、寝ている間に、我々はスピリットの世界へ行ったり、その世界と交信したりしているといわれています。時に、寝ている間に経験したことが夢に現れたりします。ジャーニーは、このような状態を意図的に寝ていなくて、起きている間に作ることです。身体を持った我々が、スピリットの世界へ行くにはある程度、覚悟と真剣さが入ります。我々のマインド(日常の意識・常識)が邪魔をするからです。

このマインドから簡単に解き放たられるために、世界で古くから行われているシャーマニズムの手法では、このジャーニーをする際、特別な薬草、ドラッグ、アルコールを使う場合があります(南米のアイオアスカ等)。我々の一般生活に使っている感覚を鈍らせて、集中力をジャーニーに一点集中させる手法です。

私の実践するシャーマニズムでは、ジャーニーを行う際、こういった物質を一切使用しません。唯一のツールは、ドラムとラトルです。ドラムの一定のビートが人間の深い鼓動と調和し、意識を深い世界へ向かわせます。

この手法ですと、ジャーニーへ行っている間も、現実の感覚を持ち続けます。これは、一般常識を持ち続けるということではなく、時に自分が横たわる周囲の雑音が音が耳に入ったり、ジャーニー中、自分が経験していることを周りの人々に説明できます。ドラムを叩きながら、ラトルをかき鳴らしながら、一定のリズムに乗るだけです。また、それを横たわって聞くだけです。これは、シベリア系シャーマンたちに受け継がれてきたジャーニー手法です。

そして、ジャーニーに集中できる最も重要な点は、ミッション/目的 (mission)を明確にしてから、旅に出発することです。シャーマニズムのジャーニーには、瞑想と同じように、地図はありません。瞑想と全く違う点は、コンパス/羅針盤を持って出発する点です。ミッションは、スピリットの国において、北斗七星のように旅の方向を示唆するコンパス、もしくは足元を照らすロウソクの灯火の役割があります。

目的が明確でないと、わざわざスピリットの国へ行く理由がなく、集中力も欠き、とても危険だからです。スピリットの国は、果てし無い世界です。地図がないわけですから、迷子になったら大変です。もしミッションなく旅をしたとしたら、途中でグルグル迷ってしまって、戻れなくなってしまったり、ふらついて変なスピリットと知り合ったり、遊び半分で行くところではないのです。

しかも、スピリットに手助けをお願いに行くわけですから、敬いの気持ちをしっかり持って行くためにも、ジャーニーをする前に、ミッションを明確にする時間をゆっくり持つことが最も大切です。他の方のジャーニーをする場合、必ず深い面談の時間を持つのが普通です。それを持たないで、ジャーニーのミッションを考えるのは、ちょっと難しいです。

そして、この旅の伴侶として欠かせないのが、パワー・アニマルです。パワー・アニマルと会うためのジャーニー以外は全て、パワー・アニマルの案内でスピリットの世界を進みます。

パワー・アニマルと正式に対面したい場合は、パワー・アニマルと会うためのジャーニーを行うことが一番明確です。シャーマニズムの経験者でない場合、ジャーニーを最初から一人でやるのは少し大変かもしれません。そのような場合、西洋では、シャーマニズム実践者にお願いして、パワー・アニマルを探して来てもらうのが一般的です。

Image by Jamie Street in Unsplash

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