no.17 義母、床ずれができる…
義母が5泊6日のショートステイから帰ってきた。
背中に4か所、床ずれができていた。
まったく、思いがけないことだった。
夫が義母を迎えに出たとき、ショートステイ先の職員の方から「床ずれがある」と言われたそうだ。
「ショートステイの前には、床ずれはなかったですよ」と言うと、
「こちら(ショートステイ)で、できたのかな?」と言われたとか。
なんと言うか、反応が軽くないか?
連絡帳を見てみると、
「背部にびらん4か所あります。ゲンタマイシン+ガーゼで保護してあります」とあった。
「4か所あります」… まず、この書き方が引っかかる。
「4か所できました」と書くべきだろう。
数日のうちに、0→4か所にびらんって。そもそも「びらん」って、何だ?
検索してみたら「びらんとは、表皮が失われた状態であり、真皮が露出している状態…」とあった。おお…
一瞬「因幡の白うさぎ」が頭を過ぎる。ちょっと違うけど。
すぐにケアマネ氏に連絡。
ケアマネ氏の見立てでは、床ずれの程度はあまり深刻なものではないとのこと。週末の訪問診療のときに、医師に診てもらうことになった。
そして、レンタルしているベッドのマットレスをエアマットに契約変更。翌日には交換してもらえた。
エアマットは、空気の浮力で体圧を分散してくれるので、同じ部位に圧力がかかるのを防いでくれる。毎月のレンタル料は800円高くなるが致し方ない。
(このわずかな出費の増加が、後々ボディブローのように響いてくるのが、わが家の家計 )
来月も、同じ施設でショートステイを利用する予定だったが、キャンセルをお願いした。さすがに再び利用する気にはなれない。
次の日、看護師の訪問があり「びらんは5か所あります」と言われ、ニ度目のびっくり。
医師の診察までは、軟膏を塗ったガーゼを当て、保護することに。
ドラッグストアで滅菌ガーゼと固定のためのサージカルテープを買う。(またしても、ボディブロー)
お風呂には入った方がよいとのことなので、デイサービスには予定通り、行ってもらうことにする。連絡帳に状況を記入し、ゲンタシン軟膏と滅菌ガーゼを持たせる。ふう。
ネットで調べていたら、床ずれには、アズノール軟膏が良いとわかる。
画像を見ると、白地にコバルトブルーで「アズノール」とある。
市販薬ではない。でも、これは、どこかで見たぞ。
義母のタンスの引き出しを探してみる。
すると、出てくるわ、出てくるわ、あっちからも、こっちからも。計29本!
しかも、どれも少しずつ使ってある。なんで?
そのうちの1本には、義母の文字で平成26年12月と書いてある。8年前?使えるのかな…
週末の訪問診療。
医師と看護師とで、義母の体の向きを変える。30㎏ほどしかないのに、動かすのは一苦労のよう。患部を診るために、医師がガーゼとサージカルテープを剥がそうとするが、これがなかなか剥がれない。
剥がそうとすると、サージカルテープといっしょに、義母の皮膚が、びよよ〜んと伸びる。体は痩せても、体を覆っていた皮膚の量は、減るわけではないようだ。その分、すご〜く伸びるのだった。三度目のびっくりである。
傷口はまだ痛々しかった。
家にあったアズノールは使って良いとのこと。(助かるわ)
ここからは、医師の手当を観察。というのも、ヘルパーさんは医療行為ができないため、頼めないのだ。
滅菌ガーゼにアズノールをたっぷりめに、ムギュギュ〜っと絞り出して、ペタリと貼る。ふむふむ。
アズノールの粘着力でガーゼは貼り付くから、サージカルテープは不要、ずれたとしても、気にしなくて良いとのこと。なるほど。
そして、「大丈夫、治りますよ」と言われる。涙
それからは、一日一回、ヘルパーさんに義母の体の向きをかえてもらい、私か夫が薬を貼り付けた。
アズノールを惜しみなく、たっぷりと使えたことと、エアマットのお陰で、びらん部分は、ひと月ほどで、きれいに治った。「チーム義母」(たった今名づけたw)のケアマネ氏、介護福祉士さん、ヘルパーさん、医師、看護師の皆さんが私たちの不安に寄り添ってくださったことが有難かった。
後で聞いた話だが、ショートステイ中、義母は夜の間も、大きな声で独り言を言い、同じ部屋の方に迷惑をかけたらしい。
それはそれは...(だからと言って、床ずれを作って良い訳がない)
義母は不安だったのかな。
次回からは、エアマットを使用している施設の、個室利用になるとのこと。費用を抑えるため、期間は4泊5日に短縮。ふう。
仕方がない。
生きているからこそなのだ、何かが起きるのは。