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夏のセールでお買い物②運命の再会か?

いよいよ、ショッピングセンターの閉店まであと数日。
最後の最後、婦人服店Sを覗いてみる。

「気に入ったものがあれば、買おうかな」くらいの気持ちで中へ。
ハンガーラックにぶら下がっているブラウスをかき分けたり、上半身の胴体だけのマネキン(トルソーと言うそうです)に着せられたカットソーに目をやったりしながら、足早に見て回る。
あいにく「買いたい」と思うほどのものはなく、そろそろ帰ろうかと、出口に向かう途中で足が止まった。

トルソーに着せられた、薄茶色の小花柄チュニックさん。諦めたはずの、あのチュニックさんがこちらを向いて佇んでいる(!)
元恋人に思いがけず再会したかのような場面(←このような経験はありません)、思わず駆け寄り、声をかける(←心の中で)

私 :「どうして、ここに?」
チュニックさん : 「・・・」

ぎこちなく言葉を交わす私たち。
ドキドキドキドキ…
ときめきか、はたまた、ただの動悸か。
ともかく、チュニックさんは舞い戻った。これは運命だ。
運命なんだけど、一応、試着はしてみよう。急ぎ袖に手を通し、大きな鏡に映してみる。
鏡の中に、チュニックを着た私が映る。
(あれ?なんだかピンと来ない…)
チュニックと私に一体感がない。馴染んでない。

なんでかな(汗)、丸い衿ぐりが良くないのだろうか。
上品でおとなしめの、フェミニンな感じが、悲しいかな、似合っていない(泣)
はて、どうしたものか。
店員のおばちゃんは、「素敵ですよ」と言った。
素敵なのはチュニックであって、私ではない。ま、本当のことは言えないか。
やはり、母が言うように、私に似合うのは、紺と茶と縞々だけなのか(泣)
しかし、私はもうアラ還だ。今さら母がどうこうではないだろう。
「着たいものを私は着る!」
母の呪縛を振り切って、結局は「えいやっ!」っと、もう半ばヤケクソになって、勢いで買って帰ったのであった。

結局のところ、慎重だったのは初めだけで、再会を運命と決め込んで、ピンとこない気がしているというのに、最後は勢いで決めてしまった。
私の場合、物事を決めるとき、こういうパターンになることが、わりとある。
結婚はどうだったかな(^◇^;) 

帰宅して、薄茶色の花柄チュニックをハンガーにかけ、眺めてみる。
再会のときめきも、すっかり醒めた。
果たして、本当に着たいものだったのか。だんだん、分からなくなってきたのであった(泣)



ここまで読んでくださってありがとうございます。
思い切りが良いのか、優柔不断なのか、もはやわかりません。修養ができていないことだけは確かです。
いつになったら、ちゃんとした大人になれるのでしょう(汗)

今日も北陸の伝統工芸品をひとつご紹介します。



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