no.21 はかせてみせよう、紙パンツ大作戦
義父が便失禁をした翌日、私は義父の部屋の部屋へ行った。
義父に紙パンツをはいてもらうためである。
私 :「お義父さん、これからは紙パンツを使ってもらえませんか」
単刀直入であるw
昨日の便失禁に触れなかったのは、義父が「失禁などしていない」と言う可能性があるからだ。(認知症なので)
そうなると、のっけから話がややこしくなってしまう。
義父 :「わかった」
私 :「!」
しかし、ここで安堵してはならない。
なぜなら、義父の「わかった」は、ほとんどの場合、その場しのぎの方便だからだ。
義父が、ものわかりの良すぎる返事をするとき、自分が体よく追っ払われていることに気づかねばならないのだ。(経験から学んだ)
義父は、腰椎圧迫骨折で入院している間、紙パンツを使っていたのだし、ここは一気に畳みかけたい。
私 :「紙パンツ、買ってきたので、ここに置きますね」
父:「はいはい、ありがとう」
良い返事だけれど、ちゃんと聞いている気がしないw
私は義父の前に紙パンツのパック(Mサイズ24枚入り)を置き、取り出し口を開けて、1枚だけ出しておいた。
翌朝、義父の部屋を覗いてみる。(わなを仕掛けた釣り人のよう)
思った通り、紙パンツのパックは、昨日のままであった。1枚だけ出しておいた紙パンツも、そのままだった。(同上)
この日、私は紙パンツのことには触れなかった。義父も何も言わなかった。
夜になって、再び義父の部屋を覗くと、紙パンツのパックがない(おっ!)
慎重に部屋の中を見渡す。なんと、寝ている義父の枕になっていた(*_*)
思わず、「枕ならあるでしょ!」と叫ぶ。(心の中で)
翌日、義父が起きた後、私は素早く紙パンツのパックを開け、中身を義父のパンツの引き出しにしまった。
引き出しを開けると、整列した紙パンツが目に入るはず。
布のパンツは、義父には絶対にわからない場所にしまった。
(正確には隠した)
こうして、義父は嫁の不意打ちに会い、ついには紙パンツをはいたのであった。
こうして、紙パンツ問題も一応、解決。
来月から義父はデイサービス・デビューをする。
週1回、義母とは異なる施設を利用することになった。山の景色が楽しめて、プールで歩行訓練ができる。
義父の持ち物を準備するのは私だ。
義母のときほど、気持ちが上がらないのは、持ち物が地味だからだ。(花柄とかないし)
それでも、施設からいただいた持ち物リストを見ながら準備をする。
歯磨き粉、歯ブラシ、コップ、T字型ひげそり、タオル2枚、バスタオル1枚、
着替え各1枚 肌着上・下/ 普段着(上)/ くつ下
紙パンツ(使用している人)2枚
持ち物にはすべて記名し、チャック付きのカバンに入れる。
で、気づいたのだが、
義父の紙パンツ、1枚減っているだけで、残りの枚数が変わっていない。
布のパンツは隠したので、洗濯していない。
で、わかったのは、義父は紙パンツをはいたけど、脱いでなかった。
私は、はかせることしか考えてなかった(涙)
かれこれ、1週間は過ぎている。
破れるまで使えると思っているのかな。
金魚すくいみたいw
ただ、「紙パンツを脱いで下さい」とは、なんとなく言いにくいのであった。